＊この世で最も美しく、哀しくない話part６＊ (ページ20)

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え！？え！？えーー･･･？

女の子のパニクった声が遠くで聞こえた。

キャーキャー騒いでる声が、遠くで聞こえた。

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植込みのレンガに座ったままの私を、和也がしゃがんで抱きしめている。

少し身体が押されて、枯葉がガサ、と音を立てる。

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A「････和也･･････」

和「うん」

A「････････和也･･････」

和「うん」

和也の腕が私を抱きしめる。

掌が、何度も私の頭を撫でる。

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A「和也･･････」

声は、やっぱりうまく出ない。

数時間、泣くのを必死に堪えていた身体は、軋んでうまく、泣けない。

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A「･････大野さ･･んが、チヅルさんが･････」

和「うん」

A「･･･雅紀の･･･子ど、も･･････」

しゃっくりするみたいに、引き攣った喉が出す単語を。

和也が私を撫でながら「うん」と繰り返した。

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A「････人は、酷い････････」

そこまで言うと、まるで蓋が取れたみたいに。

涙が、声が、溢れ出た。

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A「う････ううーーーーっ･････････」

和也の腕を掴む。

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A「う･･･ううっ･････････うー･････」

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和「お前さぁ」

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和也の声が耳に届く。

和也の息が、生きてる私の身体に、熱く届く。

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和也は泣きじゃくる私のを抱きしめながらも淡々としていて。

耳元で小さく笑った。

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和「俺、いつもここにいる訳じゃないからね？」

一瞬、和也が何を言っているのか分からなくて

私はしゃくりあげながら和也を見上げた。

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和「俺、２駅先の開発センターにいるから」

ずず･･･と鼻水が垂れた。

和「本社に来るの、月に１回あるか、ないかよ？」

和也が笑う。