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パン！と乾いた音が教室に響いて、私はその時初めて
人の頬を叩くとあんな音がするんだ。と知った。
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私の隣の机に座る彼、の前に立ったクラス１の可愛いサユちゃんがボロボロと涙を零して
「さいってーーーーー･･････」
唇を噛む。
サユちゃんに叩かれた彼、は机の上に座ったまま、首をコキコキと回した。
細い指で自分の後頭部をぐしゃ、と触る。
「なんで私がいるのにチサトともシちゃうの！？」
クラスに響き渡るサユちゃんの声に、うーーーわーーーー････とクラスの空気がどよめいた。
「私とチサト！どっちが好きなのよ！！」
チサト･･･っていうのは隣のクラスの可愛い子だ。
そうか、チサトちゃんもか。
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高校１年。
季節は春の終わり。
新しい世界に浮足立った４月が慌ただしく終わり、クラス内に暗黙の了解で存在する
ランクもついた頃だった。
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サユちゃんの言葉に、彼はやっと顔をあげてサユちゃんを見た。
サユちゃんが苦しそうに彼を見つめる。
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「いや？」
いや？
聞き耳を立てているクラス全員が、？？？と思ったと、思う。
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彼のサラサラの髪が、春の風に揺れた。
華奢な腕が学ランの袖から出ている。
筋ばった腕。端整な顔立ち。
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「どっちも好きじゃないけど？」
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彼、の名前は大野智。
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･････････････私はあんなに爽やかに。
あんなに優しい声で。
あんなに残酷に。
言葉を紡ぐ人間を、彼以外に、知らない。
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れもんたると(プロフ) - このクソさ加減と一途な感じ、たまんないです。智sideも見てみたい...笑 最高でした。 (2018年5月6日 2時) (
レス) id: 3e7fadf1c4 (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - クソ智 最高でした。(言い方) こういう智だいすきなんですが、このお話の智がいちばんかっこよくてクソでかっこよくて、最高でした。オイシイ智をありがとうございました。(言い方←２回目) これからも瀬音さんを応援させていただきます！！ (2016年9月19日 18時) (レス) id: 9fafcdfc5a (このIDを非表示/違反報告)
なみかぜ(プロフ) - ビッチ智くんは初めて見たのでどんな感じか不安＆期待で読んでたんですけど…とっても良かったです！ (2016年1月5日 20時) (レス) id: 4e72527647 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - こんにちは！！みづきと申します！！オイシイオトコを読ませていただき、智くんの愛嬌や言葉にキュンキュンさせてもらい、ずっとニヤニヤしていました！笑これからも頑張ってください！！応援しています(^^) (2015年9月26日 1時) (レス) id: 7bba366ef7 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - こんにちわ。ココといいます。瀬音さんのお話いくらか拝見しててんですが。もう感動です。感動というか文才！凄すぎる！テンポがよく読んでて笑えるのに、最後は感動やったり笑、私Mやないけどこの話もめっちゃおもろかったです！今から残りの作品読破して来ます笑 (2015年6月16日 20時) (レス) id: ee48ebbedd (このIDを非表示/違反報告)
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