＊キラキラ王子様＊ (ページ4)

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「A、おはよう」

お味噌汁が出来上がった頃に雅紀兄が起きてくる。

・

A「おはよう。あ、目ヤニついてるよ」

雅「え？どこ？取って？」

A「ん」

親指で雅紀兄の目頭を拭う。

きっと世の中の兄妹はこんなことはしないんだろう。

・

自分自身が兄に対して、過剰なまでの憧れと尊敬を抱いていることも、

それ以上の感情を持っていることも、

学校生活や社会･･･いわゆる「外の世界」で気付いた。

自分はおかしいんだよな･･･と思いながらも、家で過ごす家族の時間は密接で心地よく、

この古い狭い家は魔法の家みたいだといつも思う。

・

「あら、雅紀おはよう」

お母さんが玄関の掃除を終え、居間に顔を出し笑う。

雅「おはよう。あ、昨日帰ってきてから玄関の電気変えておいたよ。チカチカしてたから」

「あらまぁ、残業で疲れていただろうにありがと」

雅紀兄が急須にポットからお湯を注ぐ。

雅「この家で１人の男手だからね・笑。こき使ってよ・笑」

「まー、頼もしい・笑」

お母さんが笑って言い、お婆ちゃんが「はい、おはようさん。A、今日は寒いよ。アレだよ、毛糸のパンツがいるよ」

と言いながら台所に入ってくる。

A「毛糸のパンツなんて履かないよ。もう私、二十歳だよ・笑」

居間から雅紀兄が空になった急須を持って現われ、

雅「履いてけよー。毛糸のパンツ履いてる方が兄ちゃんは安心です・笑」

なんて笑う。

・

・

兄ちゃんは安心････ね。

まったく鈍いんだから。バーカバーカ。･･･うそ。神様、今のウソウソ。

神様、私はやっぱりこの人が大好きです。

・

大好きで大好きで大好きで、この人以上に好きになる人なんて

例えばパリに行っても(行ったことないけど)

例えばニューヨークに行っても(行ったことないけど)

例えばアフリカに行っても(行ったことないけど)

世界中のどこに行ってもいないと思う。

だって声が違う、顔が違う、心が違う。

「相葉雅紀」は世界中のここにしかいないもの。