＊キラキラ王子様＊ (ページ22)

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☆２２ページ22

コートはクロークに預けたままだったから、半そでのワンピース姿に

北風が痛みを乗せて触れてくる。

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A「･････雅紀兄･････」

私の腕を掴んだまま歩く雅紀兄を呼ぶ。

A「雅紀兄･････っ！」

２回呼び止めて、ようやく雅紀兄が振り返る。

雅「ん？」

いつもの、優しい笑顔。

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はふ・と漏れた息が、暗い空に消える。

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A「･････ダメだよ･････。私達･･･兄妹だよ･･････」

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ホテルの煌びやかなロビーの灯り。

いくつも並んだ自動ドアの横に置かれた大きなクリスマスツリー。

小さく流れるクリスマスソング。

全部このまま時が止まればいいと願いながら、雅紀兄に言った。

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言った瞬間。

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抱き締められ、熱い唇が私の唇を塞ぎ

雅紀兄の大きな掌が私の後頭部を抱え･･･

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雅「････好き」

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キスの合間に、雅紀兄の小さな声。

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頷くまい。

こんな素敵な奇跡を、それでも私は手放そう。

だって、兄と妹だから。

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だって、兄と妹だから･･････。雅紀兄は誰にも何も言われない、

光の当たる恋を。だって雅紀兄は光の人だから。

私を照らし温めてくれた雅紀兄は、光の中にいて欲しい。

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そう声に出そうとするのに、また雅紀兄の唇が私の声を塞ぐ。

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口の中に入ってきた舌が優しく上顎を舐め、ふと離れる。

近づいていた唇が離れ、キラキラと光るツリーの光の前に、雅紀兄の顔。

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雅「････好き。Aが、好き。･･･俺と一緒に生きて？」

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クリスマスツリーより眩しい、

どんな星よりもキラキラと瞬く愛しい人のその言葉に。

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私の腕は雅紀兄を抱きしめていて。

繋がった心と体温が温かくて、越えなきゃいけない山が聳え立っているのも

越えることが出来ないのも分かりつつ、今だけは子供のように甘えて泣いた。