そんな運命力尽くで捻じ曲げてやる。section.4【進撃の巨人】 (ページ8)

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転がり込むように壁の上に来たAは、心配で駆け寄って来たアンカより先に声を発した。

「ガスとブレードをよこせ」
「え、あ……はい、！」

慣れた手付きで補給を済ませ、再び戦場へ戻ろうとしたら、ピクシスに呼び止められた。「あ"？」と言いながら振り向いたAは、呼び止めた方が申し訳なくなるくらいに、不機嫌オーラ全開の顔をしている。

「お主はもう引け。潮時じゃ」
「ボケるにはちと早ぇんじゃねぇか？」
「真面目に言っておるんじゃが」
「なら一層、ボケ散らかしてんじゃねぇよじいさん。今この戦場で、一番の戦力のアタシがここで潮時だから引けだと？」

後数ミリ前に出れば刺さるくらいの距離で、ピクシスの首筋に刃を向けた。

「アタシはボランティア活動しに来た訳じゃねぇ。この身が朽ち果てようが何しようが、勝ちに来たんだよ。命掛けの戦いに、潮時なんてもんがあると思うか？」
「しかし、お主が死んだらあいつらが悲しむじゃろ」
「知ったこっちゃねぇよ」

吐き捨てるように言ったAは、再び戦場に戻った。万が一、この戦いで死ぬような事があれば、調査兵団のみならず、全兵団の兵士が驚くだろう。

(本人が聞く耳を持たない以上)
(一分一秒でも早く)
(調査兵団が戻って来る事を願うしか無い)