そんな運命力尽くで捻じ曲げてやる。section.4【進撃の巨人】 (ページ7)

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未来ある芽は摘ませたくない。アタシにだって、ほんの少しくらいそういう感情がある。だから、率先して前に出て、巨人を狩りまくる。

「いやっ……来ないでっ！」
「もう……だめだ…」
「諦めてんじゃねぇ！最後まで足掻けくそ餓鬼！」

巨人2体に、逃げ場の無い所に追い込まれた訓練兵は、泣きながらその場に座り込み、完全に戦意喪失している。これ以上、正式配属の前の訓練兵を戦わせるメリットは無い。ささっと2体の項を削いだAは、「死にたくなきゃ壁を登れ！」と言い残し、すぐにその場を去った。

「(所詮は訓練兵の餓鬼だ。戦力になりゃしねぇ。あれこそ無駄死にだろ)」

目に付いた訓練兵達は、ガスが切れる前に壁を登らせた。A1人で、何体倒したのやら。本人はそういうのに全く興味が無い故、その数を知る事は叶わない。お陰で巨人の数が減った…とも言えなかった。その理由は、破壊された壁の穴。そこから、次々と巨人が入って来るから、倒しても倒しても数が殆ど減らない。まさに、イタチごっこだ。

「(ブレードが無くなった…ガスもだいぶ減ったな…仕方ねぇ。一旦じいさんの所戻るか)」

あそこなら確実に補給出来る。もう既に鉛のように重い体を引き摺って、壁を登った。

(心做しか息苦しいし、心臓がやけにバクバクする)
(冷静にちゃんと考えれば発作だから)
(休むべきなのかもしれないが)
(この時のアタシは)
(とにかく戦場を離れたくなくて)
(見て見ぬふりをしていた)