そんな運命力尽くで捻じ曲げてやる。section.4【進撃の巨人】 (ページ5)

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見送りが終わり、人の気配が無くなった本部内をふらふらっと歩いて回る。

「(なんか、寂しいな…)」

柄にも無い事を言ってる自覚はある。人生の半分以上を過ごした場所だ。感慨深いものを感じるのは、不可抗力だろう。そろそろ迎えの馬車が来る時間で、Aは荷物を部屋から出入口の所に運んだ。それだけで疲れを感じて、少し休もうと本部の中に入った瞬間。

「っ！？」

物凄い轟音と共に、思わず座り込んでしまう程地面が揺れた。それはほんの一瞬だったけど、嫌な予感を抱くには十分すぎた。1分とかからず装備を整えたAは、壁の上から既に動き出してるピクシス達の元へ走った。

「ピクシス、こちら側の状況を教えろ」
「お主は戦うな。調査兵団は引退したんじゃろ？」
「この状況で、アタシが素直に引くと思うか？」

百年の安寧を守り続けてきた壁が破壊されて五年。今日、あの日の悲劇が再び起きた。その状況を大人しく見ていられる程、アタシは落ちぶれていない。

「今、前衛部隊を駐屯兵団の迎撃班。中衛部隊を支援班率いる訓練兵団。後衛部隊を駐屯兵団の精鋭班がそれぞれで受け持っておる」
「そしたらアタシは全体のサポートをしつつ、前衛に出る」
「お仲間さんに怒られても知らんぞ」
「まぁ、そのお仲間が来る前に生きてたら、説教も甘んじて受け入れてやるよ」

(みすみす死んでやるつもりは無いが)
(あいつらが来るまでってのを考慮したら)
(正直分からん)