��destiny.147�� ページ4
軽く雑談をしていたら、あっという間に出発の時間が迫って来た。
「そろそろだな」
「Aが居ない壁外調査って、何か違和感しか無いや」
「いつも居るからな」
「確かに」
「君達、そろそろ行くぞ」
エルヴィンの言葉で雑談を辞めて、各々馬へ乗った。Aは、先頭に居るエルヴィンに近付く。
「悪ぃな。門まで行きてぇが、迎えの馬車に間に合わなくなっちまうから」
「気にするな。調査から帰って落ち着いたら、病室に顔を出すよ」
「それこそ気にすんなよ。まぁ、ミケはすぐにでも来そうだが」
「違いないな」
ハンジ、リヴァイ、それぞれの班員達にも五体満足で帰って来いと告げて、ミケの元へ。
「取り残されるみたいで、複雑だな…」
「こう見えて俺も気が気じゃないんだ。気を付けて行けよ」
「アタシは、馬車に乗ってるだけだからな。ミケこそ、無事に帰って来いよ」
「あぁ」
いつも傍に居て、一緒に壁外に出ていたから分からなかった。1人残されるのが、こんなにも不安な事だって事が。ミケの強さは知ってる。それでも、不安と恐怖で押し潰されそうだ。
「A…そんなに不安そうな顔をしないでくれ。壁外調査に行きたくなくなる」
「馬鹿な事言ってんじゃねぇよアホ」
「やっと表情が解れたな」
くつくつと笑うミケに、頬が熱くなるのが分かる。まじでこういう所がムカつく。凄く。
(こんのクソ髭！！巨人の餌になっちまえ！)
(なったらなったで悲しむだろ)
(ぅ、、ちっっ)
(ふっ。じゃあ、行ってくる)
(……あぁ。気を付けろよ)
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作者名：蠱闇 | 作成日時：2022年12月27日 21時
