そんな運命力尽くで捻じ曲げてやる。section.4【進撃の巨人】 (ページ15)

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今でも鮮明に覚えている。エルヴィンが分隊長になって間もなく。その当時、ストヘス区で一番の権力を持っていた貴族が主催のパーティーがあり、憲兵団から数名、調査兵団からは幹部が護衛として駆り出された。

プライドだけが無駄に高いもんだから、調査兵団からは役職付きじゃないと認めないと言われた。だったら護衛なんか頼まなきゃ良いだろと言ったが、戦闘経験豊富だから安心出来るなんて、ふざけた事を言いやがったのは未だに耳に残っている。

『こんなくそくだらねぇ事に、幹部全員参加とかふざけてんだろ』
『まぁ、上手くいけば出資してくれると言ってるんだ。ここは我慢しよう』
『お前のそういう所は本当に理解出来ねぇな』
『褒め言葉として受け取っておく』

たかが護衛。されど護衛。あんな奴、死んでもどうでもいいくらいには思ってた。そのパーティー会場が、1時間後には血の海に呑まれるなんて、誰が予想出来るものか。気配も殺気もなく、死角から放たれた銃弾。次から次へと、血を流して倒れる貴族と憲兵。

『敵襲だ！全員退避しろ！！』

この際、貴族とかどうでもいい。とにかく、自分の身を一番に考えて逃げろ。そう言った直後、その行く手を阻むように殺し屋が出てきた。

(1人、また1人と)
(幹部が死んでいくのを)
(ただ見てるしか出来なかった)