そんな運命力尽くで捻じ曲げてやる。section.4【進撃の巨人】 (ページ14)

今日:10 hit、昨日:9 hit、合計:3,588 hit

￤destiny.157￤ページ14

どのくらいの巨人を倒したのだろうか。ガスも刃も残り僅かになってしまった。でも、今はそんなの関係無い。

「しくじったな…」

トロスト区奪還作戦の事を近くに居た駐屯兵に聞いたAは、エレンの邪魔をしようとする巨人を倒しまくっていた。そして、作戦の成功を見届け、壁内に残る巨人の掃討に出向いてすぐ。

もう、体力も集中力も限界に達していたが故に、突っ込んできた奇行種に気付かず吹っ飛ばされ、そのまま動けなくなった。幸いにも民家の中だから、すぐに巨人に喰われる事は無いが、それも時間の問題だ。

「…あー、、くそっ…(頭も体も痛ぇ……目も疲れた…酷使し過ぎたな…)」

常なら両目で見てるものを、片目だけというのはこんなにも疲れるのか。侮っていたな、なんて今更ながらに思う。ついさっきまでは、何とかここを脱出して戻らなければって思っていた。でも、増えた気配と、微かに聞こえた声で調査兵団が壁外調査から戻ってきたと分かり、全てを放棄した。

「(あいつらが居れば安心だな…)あー、、疲れたなぁ…」

もう、指先を動かすのも億劫なくらいの疲労感がある。病気になって、それでも兵士の道を選んで、調査兵として戦績を上げて。腐りきっていた兵団は、エルヴィンを筆頭に今の幹部のお陰でその面影も無くなった。

(だからこそ)
(あいつらには死んで欲しくなくて)
(必要以上に厳しくしていた部分があった)