そんな運命力尽くで捻じ曲げてやる。section.4【進撃の巨人】 (ページ13)

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5年前と同じだ。限界まで進んでいないのに、撤退命令が出た。壁が、壊されたらしい。

「(Aは、もう病院に居る…よな？)」

病院は内地にある。壁が壊されても、巨人の手が及ぶことは無い。そう。ちゃんと、時間通り迎えに来た馬車に、大人しく乗っていれば。何だか胸がザワつく。

「(大丈夫……大丈夫…)」

ひたすら心の中で呟きながら、馬を走らせる。見えてきた壁は、何かで塞がれていた。だから、全員立体機動で壁を登る。リヴァイが、真下に居た訓練兵を狙ってる巨人を討伐してる間に、ピクシス司令と合流して状況を聞いた。

「それと、Aが補給の為に1度戻ったきりじゃ。作戦の説明の時も来ておらん」
「壁が壊されてから、ずっと戦場に？」

エルヴィンの質問に渋い顔で頷いたピクシスは、かなりしんどそうだったと言った。それを聞いた瞬間、ミケは壁から飛び降りた。この際ガスの配分とかどうでも良い。1秒でも早くAを見つけなければ。

「(もう、こんな長時間出ずっぱりで戦える身体じゃないだろ！)くそっ、、どこだ…A、！」

焦ってるせいか、匂いが上手く嗅ぎ取れない。

(どうか、生きていますように)
(致命傷を負っていませんように)
(ミケの頭の中には)
(そんな願いしか無かった)