頼れる先輩は。【センラ】

先輩。-6- ページ7

-センラside-



Aはほんとにええ子だと思う。



仕事はそこそこ出来るし、周りにも気がきくし。



『折原さん。一応終わったんですけど、こんな感じで大丈夫ですかね？』



Aは仕事はいつも早い。まぁ時々ミスすることもあるけど。



「んー、ここの部分はもうちょっとコンパクトにまとめられると思うで。あとは、ここの場所。計算ミスしとる。」



『あっ本当だ。すみません、ありがとうございます。すぐに直しますね。』



と言って、Aはすぐ仕事に戻る。



年下とは思わないほど、しっかりしとる。



「やっと終わったなぁ、ありがとうなA。」



『いえいえです。こちらこそ色々教わったので、ありがとうございます。』



ほんとは明日のライブに備えてすぐ休みたいけど、Aが手伝ってくれたんやから、
ここは先輩としてお礼はすべきやろ。



「んー、もうこの時間やからご飯どっか行く？」



『いえ。折原さん明日用事あるんですよね。
帰ってゆっくり休んだ方がいいと思いますよ。』



そこまで気を使ってくれるんか。



ほんまにええ子を持ったなぁと思う。



「そうかー、じゃあ帰ろっか。」



後でなんか奢ってあげよ。



Aを家まで送ったあと、ふと思い出した。



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『いえ。折原さん明日用事あるんですよね。
帰ってゆっくり休んだ方がいいと思いますよ。』

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「あれ？俺、用事あるなんて言ったかなぁ。」



まぁ知らないうちに言ってたんだろうなぁ。



ちょっとしたモヤモヤを残しながら、
俺は家へ帰った。

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