ガールズトーク ページ12
「はぁ、」
「どした？大野先生にキスされた？」
「…」
「…マ、マジっすか、Aさん」
「マジっすね、由美さん」
もう私一人で色々と抱えきれない。
「ちょっと、いつの間にそんな関係になったの」
「ま、まだ別につきあうとかそういうんじゃなくて、ただそんな雰囲気になって、」
「少女漫画か」
「…壁ドンもされちゃって」
「なんて羨ましいシチュエーション！」
「羨ましいって言われても」
「いいじゃん。禁断の恋！」
「ちょ、声がでかいよ」
「あ、ごめんごめん」
「…はぁ、」
「で？Aはキスされてどう思ったの？」
「やっぱ好きだー…ったなった」
「じゃあ問題ないでしょ。つきあっちゃいなよ」
「別に告白されたわけじゃないし」
「先生も好きだからしたんでしょうよ」
「でもそれが分かんなくて、」
「なんで」
「実は、」
和にもキスされた話をしてみる。
「えー！！」
「ちょ、ほんと声でかい」
「ごめ、今日イチの驚きで」
「寝ぼけてたからたぶん誰かと間違えたんだろうなって」
「なんでそう思うの？」
「好きな人いるって朝言ってたから」
「…あ、そう」
「和、好きな人の夢見ててたまたまそこに私の顔があったから」
「…可哀想に」
「え？」
「ううん。で、先生も別に好きじゃないのにしたんじゃないかって？」
「うん。男の人ってそうなのかな？」
「まぁ誰でもいいってやつは確かにいる」
「やっぱりそうだよね」
「先生は大人だから分かんないけど、二宮くんは違うと思う。そんな軽々しくやるタイプじゃない」
「私もそう思ってる」
「自分のこと、もしかして好きなんじゃ…とか思ったことないの？」
「ない」
「あー…そうなんだ。あんだけ一緒にいるのに？」
「んー、兄妹？みたいなもん」
「なるほど…(二宮くんドンマイ)」
これが俗に言うガールズトークというやつですか。
由美に全てを話したお陰か、少し楽になった気がする。
「先生とどうすんの？」
「どうするもなにも。朝、準備室で続きしよっか。なんて言われちゃって」
「やだー何それ。興奮しちゃう」
「…由美、他人事だと思って楽しんでるでしょ」
そんなことないよーって言ってる顔がもう楽しんでるもん。
「行ってきなよ」
「え、」
「昼休み、まだもうちょっとあるし」
「…でも、」
「好きなんでしょ？別に悪いことしてるわけじゃないし」
「そうだけど、」
「はい、行った行った」
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作者名：浅井 | 作成日時：2019年3月2日 12時
