それなりに好きなふたり (ページ13)

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見つけた歌ページ13

ライブか……

菅「何歌うか、明日には教えてなー」

とは言われたものの……

一人っきりの家で、ギター片手に考える。

『やっぱり、あいみょんかなー』

だとしても何をしよう。

ていうか、賢人にこの話したら、
「相変わらず、物事の飲み込みが早いというか、断らないというか、肝が据わってるというか……」

と、呆れられた。

だって、大将先生のギター演奏、見たくない？

プルルル

あっ、電話。

『もしもし？』

菅「あっ、A？」

『うわっ！』

びっくりしすぎて、変な声が出た。

いやいや、私先生に電話番号教えてないし。
あっ、先生だから知ってるか……

『職権乱用ですよ？』

菅「えっ、いきなり？笑」

ちょっとのくすくすタイム。

『で、どうしたんですか？』

菅「いや、この間、Aが歌ってた公園におるねんけど、今から俺も練習するんやけど……」

『行きます！』

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そして自転車を飛ばして数分。

そりゃ、行くでしょ。
てか夜中に生徒に公園に向かわせる先生って、いる？

菅「おー、ほんまに来た笑」

あっ、この先生がいたわ。

『はい。それではさっそく歌っていただきましょう。』

菅「いや、早い早い。もっとこう、こんばんわの挨拶とか、会った時のハグとか、あるやろ笑」

『はい』

そう言って、大将先生にハグをする。

最初に言ったの、あっちだし……

ていうか、大将先生、細すぎでしょ。

『こんばんわ』

そして、身長的に大将先生を見上げて挨拶をする。

菅「なっ……」

そして、照れてる笑

『はい。では歌っていただきましょう！』

菅「せやから、早い笑」

・

・

・

菅「では、聞いてください。」

しばらく、話した後、本格的に歌い出した先生。

初めて聞いたその声は

繊細で、でも力強くて、明るくて、でも悲しくて。

大好きな人が歌う歌って、こんなに素敵なのかと、思ってしまった。

菅「どうやった？」

歌い終わった後、楽しそうに聞く先生。

『すごいよ、こんなに言葉が足りないって感じたことはないくらい、言葉に表せない……』

さっそく、私は歌いたい歌を見つけた。

『大将先生、「ふたりの世界」って知ってる？』