それなりに好きなふたり (ページ12)

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誘いページ12

『いってきまーす』

誰もいない家に向かってそう言うのは、なんか言わないと落ち着かないし、ダメかなって思うから。

はー、今日も学校か……

そう思いながら学校に来てしまうのは大将先生のせいだ。

賢「おはよー、A」

電車を待っていると賢人の姿があった。

『おー、おはよ。』

賢「てか、寝癖すごくね？はねてるよ笑」

そう言って私の頭に触れる。

『まじ？今日、起きたの遅かったからなー。』

賢「ふふ笑
こういうとき、女の子はドキってなるんだよ？」

『ふーん』

そういえば、賢人はイケメンだったな。

てか、私たちって………

『今、付き合ってないんだよね？』

賢「おー、ド直球ッスね笑」

と、なぜかデッドボールが当たった野球選手みたいな動きをする。

賢「まあ、今は、ね？」

『うん？今は？』

賢「あっ、電車来たぞ」

なんだか気になる雰囲気だけど、とりあえず電車に乗る。

結局、その日はもうこの話をしなかった。

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菅「ほい」

『って、冷たー。』

放課後、ボーと教科準備室にいると大将先生が私のほっぺに飲み物をつけた。

菅「なんや、今日は賢人とはおらんのか」

『なんか、めっちゃ部活の勧誘受けてるからねー』

まあ、暇だし？大将先生いるし？

教科準備室にいるんですけど………

『大将先生に会いに来てるんですよ？』

菅「っ、急に変なこと言わんでよ」

と、言いつつなんだか嬉しそうな先生なのである。

菅「あっ、そういえばA、ギター弾けたよな？」

『うん。どーしたの？』

菅「いや、俺バンド組んでてん。今度ライブあるから、一緒に演奏せん？」

『え？マジで？』

この誘いが、これからの私を変えるとは思ってなかったです。

うん、ほんとに思ってなかったけど、１回言ってみたかった笑