先生 said ページ11
菅「はー、俺サイテーやな……」
学校を出て、思わずもれるため息。
Aと一緒におりたくて呼び出しを延長とか……
菅「俺、どんだけ乙女やねん」
自己反省しながら、もうすっかり暗くなった街を見ながら歩く。
賢「せーんせ。」
菅「うん？賢人!?」
後ろから呼ばれた声に振り返ると、あいつの元カレの姿があった。
賢「せーんせ。待ってたよ。」
菅「どうでもいいけど、その彼女っぽい言い方やめや笑」
とりあえず、気になったことにツッコミをいれる。
俺、大阪人やからね？
菅「てか、こんな時間に街中おったらダメやろ。補導しちゃうぞ？」
賢「いや、先生も彼女っぽい言い方やめてよ笑」
不思議なもんで、賢人とは同年代のような友達感覚になってしまう自分がいる。
賢「いやさ、ちょっと先生に聞きたいことあって」
菅「何？」
すると賢人が俺の顔を覗き込んだ。
賢「先生さ、Aのこと好きでしょ？」
菅「な、お前どこでそれを!?」
賢「やっぱり、その言い方は図星なんだ笑」
あかん、完全に高校生のペースに乗せられてる。
菅「いや、それはやなー、色々な事情があってな」
事情なんてなんもないのに、言い訳をしてしまう。
賢「別にいいのに。誤魔化さなくても。
あっ、先生が生徒に恋してるっていうのも俺、理解ある方だから全然引かないし笑」
こいつ、元カレやからって余裕やん。
菅「お前、Aと元カレやからって今は付き合ってるわけやないんやろ？」
賢「うーん。確かに、Aとは俺が引っ越してから自然消滅みたいになったけど……」
なんだか口ごもってる賢人。
菅「うん？どーした？」
賢「俺、今もAのこと好きだから。」
菅「へ？」
賢人の口から衝撃の言葉が聞こえた気もするけど…
賢「だから、俺、Aのことまだめちゃくちゃ好きだから。」
そう言った賢人は、男の俺から見てもかっこいいことに気づいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねむさん | 作成日時：2019年8月19日 14時
