*センセイ20 ページ22
*
「っ好きですっ、先生......!」
突然零れた言葉に、目の前の先生は目を見開いて固まった。
「!?しまっ......」
慌てて口を塞ぐがもう手遅れだ。
先生は静かに私の頭から手を下ろすと「A、」と私の名前を呼んだ。
違う、こんなはずじゃない。
「あのっ、違うんですこれは、っ!」
必死に否定しようとするが、目の前の先生の表情は変わらない。
困ったような表情。
そんな顔しないで。
そして、先生は静かに口を開いた。
「俺はやめとけェ」
鈍器で頭を殴られたような感覚、
体の芯からすぅーっと冷えていくのが分かった。
「ど、して......」
頭が回らない私から出たのは今にも消え入りそうな情けない声だった。
「俺とお前は教師と生徒、それ以上でもそれ以下でもねェ。」
そんな私に追い討ちをかけるように響く先生の突き放す言葉。その言葉だけが冷たく心に突き刺さる。
「前のことで気ィ持たせたんなら悪かったァ」と謝る先生。前の事って?泊めてくれた時のこと?
もうなにがなんだかわからなかった。
「気をつけて帰れよォ」
それだけ言った先生は教室を出ていく。
生徒と教師、だなんて突き放す癖に最後は優しい言葉をかけていった。
ねえ、先生。私の気持ちは先生に届かなかったのにどうして
__そんな切なそうな顔をしていたの、?
私は取り残された教室で、しばらく立ち尽くしていた。
*
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あや - 私はさねみん推しで、今学校の数学の先生に恋をしています。なので、このお話を読んでいて、すごく楽しかったです! (2021年9月5日 12時) (レス) id: 676a376a05 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - 由瑞さん» ありがとうございます!もう少しお付き合いください〜 (2020年3月26日 9時) (レス) id: 1945be474a (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 凄く面白かったです。続き楽しみにしています! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - 殿茶さん» えっ、あの、ありがとうございます、小説連載されてますよね?私ずっと読ませて頂いてました!まさかコメント頂けるなんて、、嬉しい限りです。私も楽しみにしているので頑張ってください! (2020年3月15日 17時) (レス) id: c927656a5e (このIDを非表示/違反報告)
殿茶(プロフ) - これからの展開に期待!更新頑張ってください! (2020年3月15日 11時) (レス) id: ab2f0dbeb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴神 | 作成日時:2020年3月10日 10時