突き進む理想郷 ページ13
「あ〜、藤堂ね。あいつは本当に残念な人だよ。多分プロデュース科でも何か起こしたんでしょ？気の毒にねぇ。」
「ん？藤堂？あ〜あの自滅の
それから毎日、私と杏奈ちゃんで澪先輩がいた学科をめぐっていた。
当時、一緒にいた人たちはみんなこんなことばかりを言う。
澪先輩は努力家かつ元の才能もある。だからそれを妬む人も多かったそう。
「なんか、先輩の過去を聞いても先輩を助ける方法は見つからなさそうだなぁ……」
「そうですね。そういえば、あんず先輩がつけているブレスレッド時々不自然に光っているんですけど、どういう構造なんですか？」
「え、何それ……不自然ってどんな風に？」
「なんかサイリウムみたいな感じです。一瞬だけキラって」
「嘘、全然気が付かなかった。また光ったら教えてよ」
☆〜☆〜☆〜
「この台本が藤堂の最後の舞台の台本。あと、そのダンボールの中に入ってるのがその時の舞台の衣装とか小道具とか。」
「ありがとうございます。」
話を聞くついでに当時のものを見せてもらうことが出来た。
「【月と砂時計】……」
物語を管理する一人の少女がとあることがきっかけでいろんな物語をぐちゃぐちゃに混ぜてしまって、それを戻すために物語の中に行くんだけど中に居られる時間は砂時計の砂が全て落ちるまでで……っていうお話しだった。脚本、主演は先輩。
「あんず先輩、今光りました！」
「え？」
「もしかしたらその台本かもしれません！」
「先輩が何かを伝えてるのかなぁ。」
「なんかよく分かんないけど、良かったらこのダンボールごと持ってってくれない？処分に困っていたから持ってってくれると嬉しいかな」
ちょっと言い方が気に入らなかったけど今はそんなのも気にならなかった。
もしかしたら答えに近づいてるかもしれない。
【ＭＥＭＯ】
・自滅の女王様
・理想主義
・舞台が本性
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作者名：ナハト | 作成日時：2018年8月30日 16時
