『ガラムの義賊団』 ページ10
目を開けると、真っ暗な空間が前眼に広がっていた。
ここはどこだろう、なんて、ありきたりな台詞を吐くつもりはない。
故に、僕は呟く。
「今回は、どこなのだろう」
▲▼
荒廃した土地。
この場所を一言で正確に表すには、そんな表現が正しいだろう。
緑は死に絶え、建物の瓦礫だけが疎らに落ちている。
つまり、ここには僕以外誰もいない。
...さて、どうしたものか。
瓦礫の下敷きになっていたのでそこから抜け出す。真っ暗だった原因は、瓦礫に四方を囲まれていたかららしい。
昔は、そこそこ巨大な建築物だったのだろう。
そう思うと、なんだか趣を感じる。
そんな『スタート地点』を尻目に、一人虚しく歩き始める。
......歩き続けて一日が経過した。
相変わらず、憎たらしいくらいの廃れた土地だ。
何度か休憩を挟もうとしたが、真上からギラギラと照りつける太陽がうっとおしかったので、日陰まで歩こうと進むこと五時間。
休憩ポイントが一向に見つからない。
敢えなく、歩き続けることに。
段々、忌々しく思えてきた灰色の土を踏みながら、ふと、気付いたことがある。
人間に会わないのは勿論のこと、動物も、植物も、果ては“生物”を見ていないことだ。
幸いなことに、僕は食事、睡眠、その他人間の生理的欲求が一切合切存在していないからまだしも...生物が存在していないのも納得だ。
昼は燃えるように暑く、夜は凍えるように寒く。まるで砂漠のような場所で暮らせる生物なんて極少数だろう。
少なくとも、生身の人間には無理だ。
「うん？あれは...」
今までの回想を全否定するかのように、見るからに人工的建造物がそこには合った。
それは、『スタート地点』から丸一日と半日歩き続けた先にあった。
ボロボロの、継ぎ接ぎだらけの家だった。
否、『家』というよりも『住み処』と言った方がしっくりくるだろう。
随分とこじんまりとしたそれの周りには、大量の『ソーラーパネル』らしきものがあり、場違い感甚だしかった。
だが、文明を感じさせるには十分だった。
住み処の正面には、デカデカとした文字でこんな事が書かれていた。
『ガラム義賊団』
と。
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Nora(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» 感想、ありがとうございます。序章のことでしょうか...？そちらでしたらナハトさんが書いたのでイマイチ分かりませんが、かっこいいと言ってもらい、感激です！これからも影ながら応援してくださると嬉しいです。 (2018年10月4日 19時) (
レス) id: e36332a8d8 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - この物語の書き方…言い方が凄く好きです！複雑だけど、だからこそ不思議な感覚があって。凄くかっこいいです！！あと、最初の最初の言い回し…もしかしてA●！好きだったりします？(一文字だけ作品名化してますが)だとしたら嬉しいなぁと(( では、これにて失礼 (2018年10月4日 19時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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