痣… ページ4
俺の家系は不思議な家系だ…
何年…何代おきに…青い痣を持つ人間が産まれる…
そして…痣が変化したら…数年間は姿が変わる…
俺は…痣を持って産まれた…
二十歳の誕生日に…伊勢へ行く事が決まっている…
正直…行きたくない…
伊勢へ行けば…俺の姿は変わってしまうだろう…
その事もあり…ジャニーさんに退所を何度も伝えた…
これっきりだと言われ続けて…
デビューまでしてしまった…
しかも…ユニットでリーダーになってしまった…
後…もう少しで…この生活が終わりを迎える…
そう…きみと一緒にいれる時間は…
それくらいしかない…
きみに黙って…姿を消すつもりだ…
きみなら…俺が抜けた後…
みんなを纏める事ができるだろう…
「………の？ 大野？」
…あっ、すいません…東さん…
「…考え事か？」
ええ…もう時間がないから…
明日…ジャニーさんに退所を言いに行きます…
「ジャニーさんに…全部言えばどうかな？」
ジャニーさんに？
「ああ…俺と松岡でフォローはするから
ジャニーさんに全部言えばどうかな？」
…ジャニーさんに…全部言う…？
「ああ…姿が変わってからより…
今、言うのがいいと思うけどなぁ？
いずれ…ジャニーさんの耳にも入る…
曲げられた話より…大野の口からの方がいいと思う」
俺は…いいんです…
…ただ…東さんと松岡くんに迷惑がかかるのなら…
俺の事は…放っておいてください…
そもそも事務所に入ったのが…間違いでした…
「大野…いくらでも迷惑かけていいから！
俺を信用しろ！」
…東さん…
ありがとうございます…
もう遅いので…帰ります…
「送って行くよ」
大丈夫ですから…
「大丈夫じゃないだろう？
大野は黙っていたら女に見えるからなぁ
心配だから送って行く！」
じゃあ、甘えさせてもらいます…
東さんに家まで送ってもらった…
俺が１人で住んでいるマンションの駐車場まで…
「ジャニーさんに話す時は一緒に行くから
先走るなよ？」
はい…
「じゃ、おやすみ！」
おやすみなさい…
明日で１９になる…
俺に…残された時間は…後１年か…
きみと一緒にいれる時間は…後１年だけか…
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作者名：伽羅 | 作成日時：2021年11月8日 18時
