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『………別に、大丈夫だし。どうせいい点とったって褒められるわけでもない。』
そう。私はよく考えて、結局そこに至った。
どんなにいい点をとっても、私はどうせ
いらない子の立場。
褒められることなんて夢のまた夢。
折「そんなん、やらなわからんやろ?点数言わんでもええから、僕が勉強教えますよ?」
『…いいってば。』
折「またそーやって逃げるん?」
『……は?アンタ何様なの?この前から人の事情にズカズカ入ってきて。私はアンタと馴れ合いしたいわけじゃないの。勝手に友達気分で話しかけるの、やめてくれる?じゃないと、アンタまでいじめられるよ?それでもいーの?』
イライラする。
イライラして、言葉がどんどん溢れ出て
くる。
折「いーですよ」
『…はぁ?』
……びっくりした。
即答で、真剣な目で、低い声で。
真っ直ぐこっちを見て、折原はそう答えた。
『自分がなに言ってるか分かってる?馬鹿なんじゃないの?こんなしょうもない言い合いで、そんな決意いらないわよ!!』
折「……決意って、なんですか?」
『…え?』
折「僕、別にいじめられるほど弱い人間じゃないですよ?やり返す力だって持っとるわけやし。それに、」
折原は少し間をあけてこう言った。
折「…僕、Aちゃんのこと、結構好きやで?」
柔らかなその笑みに、どんな意味が込められて
いるのか、分からなかった。
『………アンタ、馬鹿じゃないの…?』
思わず、私も微笑んでしまった。
折「……キレイやなぁ。」
『…え?なんか言った?』
折「……いーや?人の笑顔はキレイやなって思っただけですよ?」
『なにいってんの?』
今日もこいつに、圧倒された。
勉強は好きじゃないし、やる気もない。
けど……………………………………。
『今週の土曜日、開けとかないと許さないから。』
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作者名:愛理 | 作成日時:2018年9月24日 2時