【センラ】あなたとプロムで踊りたい。【浦島坂田船】 (ページ4)

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episode3 ページ4

どうやら少しとはいえど、あるにはある私の良心が揺らいだらしい。

心底驚いたような目で見つめるその人

自分がさっき助けろって目で見てきたんじゃん…

店員さんはまたもや不審な目で見つめつつも状況を察したのかお会計を済ます

「890円です」

.

.

.

「ありがとーございましたー」

コンビニを出てしばらく無言の2人

…

「…。」

「……。」

「あの…」

最初に気まずい沈黙を破ったのは赤髪の高校生だ。

「ほんっとうにありがとう！！まじで申し訳ない、ごめん！！！！ほんっとにすみません！！！」

両手を目の前で合わせすごい勢いで謝られる。

「いやいや！頭上げてください！！全然大丈夫ですから！！」

いくら私でもそんな知らない人に一方的に頭を下げられて良い気はしない。

「本当に本当にありがとう！！同じ高校やよな、絶対お金は返すから！！」

言われて初めて同じ高校と気づいた私、

.

.

ーーーーーー

「…新入生？？」

「はい！」

「おお、入学おめでとう！そうだよな～オレもとうとうldkか～そっか～」

「ldk？？」

「ラストダンシコーコーセー」

スクバをリュックの様に背負うその人はドヤ顔混じりにものすごい笑顔で返した。

気づけばなぜか会話に花を咲かせながら一緒に登校している私たち。

ldkになんと反応すればいいか分からないまま私はその人と学校まで歩いている。

.

曰く、仲の良い友達に新作のシュークリームを買ってくるように言われたらしいが財布を家に置いてきてしまって困っていたのだと。

じゃあ、そこまでしなくても財布忘れて買えなかったってテキトーに謝っとけばいいじゃんって思ったけど

どうやら、その仲の良い友達は、限定やスイーツという言葉に弱くてさらに怒るとめちゃくちゃ怖いらしい。

知らんがな

とツッコミたい気持ちはそっと心の中にしまっておいた。