One-winged angels.【第五人格】 (ページ9)

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Episode 1【ようこそ、荘園へ】II ページ9

『おぉ…大きなドアだねぇ！』

『……通常のより遥かに高いね…』

建物と同じくらいの扉を見上げながら、唖然の言葉を口にする俺達は今、その前に立っている。

『…………』

不気味な雰囲気を醸し出す茶色の木造にぞわり、と後ろで悪寒が走った自分はすぐさま、“＿＿”の方に顔を向け、告げる。

『“＿＿”、帰ろう。今からでも遅くはないから……』

『え？いきなりどうしたの？？“＿＿”ちゃん。』

何かあった…？と心配そうに見つめる“＿＿”に、口を開く。

『…………嫌な予感がする。…だから、この先を進むのは危ないと思う…』

と普段とは違う神妙な面持ちで理由を話した。

『そっかぁ……でも、大丈夫だよ！私が居るから！…ね？ほら、入ろう！』

『え？……ちょっ…！“＿＿”…！？』

言い分を押しきるように“＿＿”はドアノブへと手を掛けた。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ギィ…という音と共に開けてしまった扉に、俺は不安な思いを募らせながら、中を見てみると………………

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿そこには大人数の“人”、が居た。

『……！？』

まるでこちらが来るのを待っていたかのような人数に、驚愕を受けたと同時にパァンッ！という破裂音のようなものがいきなり鳴り響いた。

『！』

『わわっ！』

奇襲か？！と思った俺はすぐさま“＿＿”を庇うように前に出る……が、来る筈の痛みは一向に訪れず、不思議に思っていると、麦わら帽子のようなものを被った一人の女性が口を開く。

「ようこそ！エウリュディケ荘園へ！」

と、眩しい笑顔で言うのに対し、呆気に取られる。

『………は？』

状況が全くといって程、理解出来ない俺は不意に素の反応を出してしまう。

「あ！いきなり言われても困っちゃうなの…ね？ごめんなさいなの…」

申し訳無さそうな表情で謝る女性にハッ、と我に帰り、間を開けた後、こう告げる。

『………別に気にしてない……ただ驚いただけだ。』

「！…それなら良かったなの〜！」

ぱぁぁ、と明るくなったのに対して一瞬気が抜けるが、それでは駄目だと思い、すぐに警戒態勢へと戻る。

『……あんたら、誰だ…？何故ここにいる…？』

やや強めの言い方で問うと、先程の女性が手を上げた。

「そ、それに関しては食堂で話したいなの！」