* ページ42
「『ほんまA可愛いんですよぉ、まじ天使』みたいな感じやねん」
15分ほど千羅くんが志麻さんにした惚気話を聞いているけれど、恥ずかしすぎて顔が真っ赤になっているのがわかる。
千羅くんは私を褒めすぎだよ、絶対フィルター越しに私を見てる、そんな可愛くない。
「うっ、すごい恥ずかしいです……」
そう両手で顔を覆い隠した時、勢いよくリビングのドアが開く音が聞こえる。
音のした方を見ると、涙目になった千羅くんがいた。
「今度は志麻くんとイチャついてるとか、ほんまなんなん!?」
「ご、ごめん…イチャついてはないんだけど、志麻さんが千羅くんの話してくれるから…」
手を合わせながら言うと、千羅くんの顔はたちまちりんごのように赤くなった。
きっと、私と同じくらい。
「志麻くん何話したん!!!!」
千羅くんは大声で叫ぶ。それに対して志麻さんは「え〜、内緒〜」と楽しそうに笑って返した。
ふふ、一気にお家が賑やかになった。
千羅くんの手にはお酒がたくさん入ったビニール袋がぶら下がっているから、おつまみ作らなきゃだ。
わちゃわちゃと騒ぐ千羅くんと志麻さんを眺めながら、キッチンへと向かった。
×××××××
志麻side
Aは先に寝て、センラさんと二人で談笑を続ける。
二人とも随分と酔っていて機嫌がいい。
「俺さ、Aに告白したことあるんよね、学生の頃」
そのせいか、自然とこんなことを口走ってしまった。
「……知っとるで?」
「え」
予想もしていなかった返事に驚く。
でもまぁ、知っていたのなら話は早い。
すっかり酔いが回って真っ赤にしたセンラさん向かって、口角をあげてこう言ってやった。
「あいつ、今は髪伸びてるけど、それでもやっぱり俺のタイプやから……今度奪いにくるわ」
センラさんは一瞬目を丸くしたあと、楽しそうに笑った。
「一度フられとるんやから諦め!!」
1419人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
響 - これからも頑張ってください!長文失礼しました。(続きです。初めてこんなにコメント書きました(笑)) (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
響 - 日替わりのほうで予告を見て読ませていただきました!語彙力ないのでうまく伝えられるかわかりませんが一つ一つのお話がしっかりしていて話の展開も全然急じゃないのに飽きなくてすっごくいい作品でした!個人的には番外編の志麻さんが出てくるお話が好きです(笑) (2022年3月2日 17時) (レス) @page44 id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
坂ちゃん(プロフ) - やばい。すげぇ似てる。私、恋人いるんですけど、坂田家なんです。その上恋人の好きな色は黄色... (2018年12月24日 11時) (レス) id: 2e3d2564c8 (このIDを非表示/違反報告)
せらてゃ - 全て読ませて頂きました!!小説読んでて初めて笑いましたwwおもしろいとこがたくさんあって笑っちゃいましたwもうかわいかったです!!これからも頑張ってください(><) (2018年11月25日 1時) (レス) id: 838c277702 (このIDを非表示/違反報告)
ほわいとふぃっしゅ(プロフ) - つぼみさん» そのように言っていただけて本当に嬉しいです……。少し先になってしまうのですが、坂田さんの短編を書かせて頂きたいなとは思っているので、気長にお待ちください!! (2018年10月29日 18時) (レス) id: b3ad7ee62f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほわいとふぃっしゅ | 作成日時:2018年9月8日 22時