番外編��.初恋の女の子 ページ39
志麻side
「お邪魔しまーす」
そう言いながらドアを開けると、奥の方からセンラさんが出てきた。
センラさんは俺の顔を見るなり「お帰りくださいませ〜」と楽しそうに冗談を言う。
「なんでやねん」
「ここは僕とAの愛の巣なんで」
真顔で言われると冗談なのかそうじゃないのかわからへんわ。
まぁさすがに冗談やろ、適当に「はいはい」と返事をして靴を脱いで家にあがらせてもらう。
「洗面所はあっちですよ」
「場所くらい覚えとるわ」と小突くと、「ちゃんと場所とか覚えてくれはるんですね」と嬉しそうに微笑まれた。
「そりゃ何回か来とるからな」
そう返事をして洗面所にいくと、今までは１本しかなかった歯ブラシが２本に増えていた。
他にも明らかに女性用の洗顔や、可愛らしい小物も置かれている。
センラさんの彼女のやつか。
たしか同居を始めて３ヶ月くらい経つよな、
そりゃこうやっていろんなものが置かれるわ。
それらを横目で眺めながら適当に手を洗う。
するとセンラさんの声が背後から聞こえてきた。
「志麻くんごめん、お酒きらしとったわ。ちょっと買ってくるからお留守番しとってー」
「俺が行く」と返事をする前にガシャン、というドアの閉まる音がした。
あいつ、俺の返事も聞かずに出ていきやがった……。
仕方ないのでとりあえずリビングに入る。
そこにもセンラさんなら絶対に買わないような可愛らしいクッションがあったり、二人のツーショットが入った写真立てが飾られていたりした。
写真をよく見ると、昔はボブだった髪がセミロングほどまで伸びた、初恋の女の子が映っている。
「相変わらず可愛ええ顔しとるなぁ」
誰にも言ったことはないけれど、センラさんの彼女は俺の初恋の子だ。
今でも引きずっているとかそういうわけではないから全然ええんやけど、やっぱ少しだけ気にしてしまう。
俺が名古屋に来るって言ったらセンラさんが「うち泊まってください！」なんて言うからお邪魔しとるけど、ほんまは遠慮しておきたかった。
仮にも告白した子がおる家……やし。
もし彼女が俺のことを覚えていたら。
交わした言葉は告白を含めてもほんの少ししかないから、そんなことありえるわけが無い。
「大丈夫大丈夫」
そう自分に言い聞かせて、テレビでも見ようかとリモコンを手に取った時だった。
「えっ……？」
センラさんの彼女か驚いた表情でリビングに入ってきたのは。
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響 - これからも頑張ってください！長文失礼しました。（続きです。初めてこんなにコメント書きました(笑)） (2022年3月2日 17時) (
レス) id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
響 - 日替わりのほうで予告を見て読ませていただきました！語彙力ないのでうまく伝えられるかわかりませんが一つ一つのお話がしっかりしていて話の展開も全然急じゃないのに飽きなくてすっごくいい作品でした！個人的には番外編の志麻さんが出てくるお話が好きです（笑） (2022年3月2日 17時) (レス) @page44 id: 7b474202c0 (このIDを非表示/違反報告)
坂ちゃん(プロフ) - やばい。すげぇ似てる。私、恋人いるんですけど、坂田家なんです。その上恋人の好きな色は黄色... (2018年12月24日 11時) (レス) id: 2e3d2564c8 (このIDを非表示/違反報告)
せらてゃ - 全て読ませて頂きました！！小説読んでて初めて笑いましたwwおもしろいとこがたくさんあって笑っちゃいましたwもうかわいかったです！！これからも頑張ってください（＞＜） (2018年11月25日 1時) (レス) id: 838c277702 (このIDを非表示/違反報告)
ほわいとふぃっしゅ(プロフ) - つぼみさん» そのように言っていただけて本当に嬉しいです……。少し先になってしまうのですが、坂田さんの短編を書かせて頂きたいなとは思っているので、気長にお待ちください！！ (2018年10月29日 18時) (レス) id: b3ad7ee62f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほわいとふぃっしゅ | 作成日時：2018年9月8日 22時
