【センラ】コイビトモダチ

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「今日、いつものとこ行ける？」


昼休みに急に聞いてきたAはなんだか落ち着きがない。
やけにそわそわしているし、目も合わせようとしない。


「行けるけど…。急になんかあった？いつもはそんなこと聞かんのに。」

「まあ、ちょっと話があって。その時話すから！」


そう言って逃げるように浦田君のところに行くA。同じ話をしているのだろう、『意味が分からない』と言いたさげな顔が見える。
それにしても、何の話なのか。Aの様子から告白でもされるんじゃないかとも思ったが、浦田君にも呼びかけていることから、そんな小さな期待は砕け散った。
何か重大発表でもあるのかと思うと、こっちまで落ち着かなくなってくる。



「せーん、終わった？」


仕事がちょうど一段落ついたタイミングを見計らったのか、Aが声をかけてきた。


「うん、待たせてしもた？」

「んーん、大丈夫。うらさか君は先に行ってるから行こっか。」

「おー」


店に着いた時には、二人がいつもの物を頼んでくれていた。


「お！ナイスタイミングです先輩！今きたところですよ！」

「ありがとう、お待たせー。」

「泉さん、こっちです。」

「え？あぁ。」


いつもと違う席に違和感を覚えながらも、浦田君の隣に座る。


「…えーっと、じゃあ、言うね？」

「え、何を？」

「ちょっと今から言うけん黙っといて。」

「ごめんなさい」


なんか理不尽に怒られた気がしたけど、そんなこと言える雰囲気でもないので謝る。なにこの緊張感。



「えー…、実は、私と悠くんが、お付き合いさせていただくことに、なりました…！」


少し赤く染まった頬は、まだ見たことのないAの顔だった。



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