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ほら、今よりちょっとでもレベルの高い高校に行けば、イヤイヤでも少しは勉強するようになるだろうし、進路に関しても少しは有利になると思ったんじゃない?
だけど。
あたしとしては『ないない』ってカンジだよね、当然。
だって編入試験なんて受けたくないし、勉強だってしたくないし、今の友達と離れるのもイヤだったし。
今更新しい学校なんて……って思ったよ。
でも、ちょっと考えたんだよね。
いや、かなり考えて悩んだよね。
お父さんもお母さんも、できるなら家族一緒に暮らしたいって想いがあったみたいだし。
今まで、さんざん自由に好きなことやらせてもらってたあたしだし。
お父さんの仕事上、仕方ないかなって思ったら、なんか踏ん切りついたんだよね。
いつもあたしのことをいちばんに考えて応援してくれる、大好きな両親だから。
協力しようと思ったの。
それに、有理絵や昔の仲間がいることもわかってたから。
あたしお得意の前向き思考も出てきてさ。
新しい学校、新しい生活……これも新たなステキな出会いのひとつだと思って。
ここに転校してくることを決めたんだ。
そして、ありがたいことに。
理事長のはからいか、たまたまラッキーだったのか、有理絵や仲の良かった友達らと一緒のクラスにもなれて。
期待どおり……ううん、期待以上に新鮮な気持ちでワクワクしつつ。
懐かしくホッとする昔の仲間とも再会できて、なんか楽しくなりそうな気配で。
あたしは、すごく喜んでいたんだけど。
「はぁーーーーーーーー・・・」
先ほどから、海よりも深いため息をつきっぱなしのあたし。
机の上には、朝のラブレター。
「いやー。ビックリだわー。あたし、女の子からラブレターもらってる女の子見たの初めて。しかもこんなに」
「でも、Aは女の子からラブレターもらうの初めてじゃないもんね」
「え?そうなの?」
「そうなのよっ!Aってば、なんかどこに行ってもモテるんだよねー。女子に」
「そうそう!あの中学の時のラブレターなんてさぁ……」
「それ、すっごい覚えてる!あれでしょ?ほら、校内でもめちゃくちゃカワイイって言われてた子が、Aにラブラブのラブレター出したんだよね〜」
「美しき、禁断の愛!」
「きゃーーーーーーっ」
あたしは、きゃーきゃー騒いでいるみんなをじと目で見た。
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凛(プロフ) - ゆきかさん» ご感想ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます〜! (2019年11月23日 12時) (レス) id: 5fcf5a2bb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか(プロフ) - ストーリーの内容ものすごく好みです!更新待ってます! (2019年11月23日 10時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - ちあ子さん» コメントありがとうございます。大好きだなんて...!ありがとうございます!! (2019年11月18日 20時) (レス) id: 5fcf5a2bb7 (このIDを非表示/違反報告)
ちあ子 - 初コメ失礼します!!凛さんの作品大好きで、陰ながらいつも応援してました!これからも頑張って下さい! (2019年11月18日 17時) (レス) id: becc6ee825 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 月夜七星さん» ありがとうございます! (2019年11月17日 21時) (レス) id: 5fcf5a2bb7 (このIDを非表示/違反報告)
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