恋立方程式【まふまふ】 (ページ8)

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あ…やっぱり｡

何となく想像はしてた｡

反応がちょっとオタクっぽいなぁ…と｡

いや違うな｡
オタクの言葉の意味を履き違えてるな｡

何というか…
ちょっと影が薄い感じの人だった｡

顔が三分の一くらいしか見えてないから、よくわからないけど｡

｢あの…どうぞ？｣

とりあえず早く
ケーキの箱を受け取ってほしい｡

ケーキを差し出したままで、端からみたら
ちょっと間抜けな人
みたいになってるし…｡

私がそう言うと…

一之瀬さんはものすごい速さで
ケーキの箱を取り
ドアを閉めた｡

｢え｣

唖然とした｡

その俊敏な速さに…｡

ケーキ潰れたんじゃないか？
って思ったけど､とりあえずケーキを渡せたので良しとしよう｡

そして､私はもう一つのドアに視線を送る…｡

｢行きたくない｣

けど…｡
嫌な事は早めに済ませよう､と思った｡

…なんて後回しにした
私はまったくもって言える義理じゃないけど｡