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「Aちゃん!!隣の席なんだから少しは知っておかなきゃダメだよ〜!!折原君って千良って言うんだけど…あっ!これ下の名前だからね?そんな事はどうでも良いんだけど…折原君って中学生の頃からすっごくモテてて、ファンクラブとか普通にあったらしいよ!!??すごいよねぇ〜。ちなみに私もファンクラブ入ろうか迷ってるとこなんだぁ」
「・・・・・」
長っ!!話長すぎだから!!
しかも、あきのファンクラブ事情なんてどうでもいいからっ!!
何か、入学式の日の放課後を思い出すよ…。
嫌なデジャヴだ…。
私はげっそりとした。
だから、イケメンの話は避けたいのに…。
そんな私の思いとは裏腹に再びあきは口を開く。
「まぁファンクラブの事は良いんだけど…折原君中学の時に陸上部のキャプテンやってたらしいんだぁ。しかも、折原君って髪も染めてないし不良っぽくもないからすっごく爽やかなイメージがあるんだよ〜。ちなみに今も陸上部で先輩とか先生からも随分期待されてるらしいよ〜」
「ちょ、ちょっ…!」
あきっ!!私何も質問なんてしてないでしょっ?
しかも、すでに口を挟む隙さえ与えない…。
「それでねぇ〜」
まだ続けるつもりっ!!??
なんて口から出そうになった瞬間…
ありがたい事にチャイムと共に先生が教室に入ってきた。
って!!相川先生じゃんっ!!
神様ありがとう〜なんて思った私だけど一瞬にして神様に殺意が芽生えた…。
「うわぁ!!Aちゃん!!相川先生だよ〜。ドキドキしてきたぁ。じゃあまた後でねっ!!」
あきは、折原君の事なんてどうでも良いかのように自分の席に戻っていく。
嵐が去っていった…。
あれだけ熱弁しておきながら、意外と引き際はあっさりとしていたので拍子抜けした…。
まぁ、先生のおかげではあるけど…
私にとって悪い状況である事に変わりはない。
まさに一難去ってまた一難…。
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