恋立方程式【まふまふ】 (ページ28)

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そんな私を見た先生がふっと笑った｡

｢お前､謝って済むとでも思ってんの？｣

｢へ？｣

そう言いながら煙草を灰皿に揉み消し、
ゆっくりと近付いてくる｡

｢平均点落としたおかげで
学年主任に嫌味をネチネチ言われた俺が、
許すとでも思ってる訳？｣

｢え､あの…その｣

私は近付いてくる先生に焦って､
徐々に後退する｡

｢もちろん責任取って
　反省してもらわないとねぇ？｣

｢ちょ､ちょっと
待ってくださいっ!!｣

制止しようとするけど
先生は全然止まらなくていつの間にか目の前に到達していた｡

しかも､私の顔のすぐ近くで｡

たぶん､傍から見たら
こいつらキスするんじゃねぇ!?ってくらい近い!!

｢せ､せんせ…？｣

私は近すぎる距離に恥ずかしさを覚え、
ぎゅっとスカートの裾を握り視線を逸らす｡

でも､先生はそんな私の顎を片手で掴み、
無理やり視線を合わされる｡

は､恥ずかしいっ｡

｢お前のせいなんだからな｣

そう言うと先生は
ゆっくりと顔を近づけてきた｡

緊張と焦りで
体が石のように固まって動かない｡

｢先生…､待って…｣

私の声は自分でもわかるくらいに
震えていた｡

もう､駄目っ!!
近すぎるっ｡

そう思い
私はぎゅっと目を瞑る｡
私が身構えていると…

｢キスされると思った？｣