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｢ほらね｡
Aちゃんは顔に出すぎなんだよ｡｣
｢・・・・・｣
｢全然素直じゃないくせに顔には全部出てるから、
Aちゃんってホントわかりやすい｣
そう言いながら先生は笑う｡
｢・・・・・｣
確かに素直じゃないのは昔からだけど…
なんで､会ったばかりの人にここまで言われなくちゃいけないんだろ…｡
何か､惨めなんだけど｡
しかも相手が先生なだけに余計に惨めなんだけど…｡
でも､不思議と嫌な感じはしなかったので
無言で彼を見つめてみた｡
丁度､先生もこちらに目を向けていたので
見つめ合うような形になってしまった｡
｢・・・・・｣
｢・・・・・｣
どちらも言葉を発さない｡
どちらも表情を崩さない｡
沈黙｡
私はそんな気まずい状況の中
またしても､先生の姿に見入ってしまった｡
いや､姿じゃなくて…
目の力というか眼力というか…
とにかく､先生の目を見ていると逸らせなくて
私は､ただただ目の前のその目に見入る｡
そんな沈黙の中、
口を開いたのは先生だった｡
｢誘ってる？｣
｢は？｣
私は目をまん丸くした｡
いやいや!!!
おかしいでしょ!?
見てただけで
誘ってなんかないし!!
それとも､私が知らない内に
どっか行かな〜い!?
ってな感じで誘っちゃった!?
…ないし｡
…そんな事思ってないし｡
｢…馬鹿じゃないの｣
とか､言いつつ
赤面してしまったのでプイッと顔をそらす｡
｢冗談､冗談〜
俺､高校生は範囲外だから｣
そう言いながらニヤッと笑う姿を見て、
絶対確信犯だと思った｡
｢彼女が居るのに
よくそんな事言えますね｣
｢アレ､彼女じゃないよ？｣
｢・・・・・｣
私は一瞬にして固まる｡
｢アレは､友達｡｣
｢・・・・・｣
いや。
絶対､おかしいでしょ｡
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