・ ページ21
｢じっ実はね!!私の友達の友達の話なんだけど…｣
｢は？｣
うん…｡
たぶん私が折原君の立場だったとしても同じ事を言うと思う｡
だって､私の悩みを聞いてくれいてるのに､友達の友達の話って絶対おかしすぎる｡
｢あのね､その友達の友達の悩みを聞いてたら私も悩んじゃって…｣
い､今更だけど､苦しい事を言ってしまった…｡
間違えたな…｡
私は､焦りながらも折原君をチラリと見やる｡
｢ふーん｣
折原君はいたって普通だった｡
だっ騙されたよ､この人っ!!
｢・・・・・｣
ちょっと安心したけど､その反面呆れた私は､ちょっと残念そうな顔で折原君に視線を送る｡
｢そんで？｣
どうやら､折原君は話の続きが気になるらしい｡
｢何かね､その友達の友達の話によると…その友達の友達…｣
｢どーでもいいけど友達の友達って長いから友達で良いよ｣
｢はぁ…そうだね｣
ちょっと焦りすぎたみたい…｡
｢その友達が男友達の家に用があって行ったらしいんだけど…｣
｢うん｣
｢その男友達の方が､仕事で疲れて眠っちゃったらしいの｣
｢うん｣
｢そ､それでね｡友達が…あっ女の方の友達がわざわざ起こしに行ったんだけど…その…｣
｢それで？｣
私が口篭っているのも気にせず､話を促す折原君｡
｢む…無理やり…そのキスされたっていうか…｣
｢は？なんて？｣
折原君は､私のキスの部分が聞き取れなかったらしくもう一度聞こうとする｡
｢だ､だから!!キスっされちゃったの…｣
どうにでもなれって思ったけど､やっぱり恥ずかしくて言葉尻が弱くなってしまった｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 334人がお気に入り
「歌い手」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
