【アカギ】神出鬼没の。

起床 ページ45

「……ん…」


眩しい……

「…？

………ここ…？」


飛び起きた。


「あれっ？？！」


自分の部屋だった。

寝起きで働かない頭をフル稼働させる。


確か私……？
石川さんに車で……


「目、覚めたの？」

「わぁっ！！


……って、あああアカギさん！？」


なんで私の部屋にアカギさんが…！？



「Aさんっ！？起きたんですか！？」

あとに続いて声。

「ひろくん！？ええ！？」

「しっ、心配したんですよ！！」

「ひろ〜、元気出しなって…」

「さっ、サヤまで！？」


オールスターである。


ひろくんの慌てぶりを見て、アカギさんは愉快そうに笑い、サヤは苦笑いを見せる。


「ど…どういうこと…？」

寝ぼけた私にこの状況はまるで理解出来ない。


「…昨日…っていうか夜中ね、Aのケータイでアカギさんから電話掛かってきて…

Aを引き取ってくれって」

「も、もうびっくりしましたよ！？

オレ…Aさんだと思ったらアカギさんだったんですから…！！」

「ひろ……どんまいだよ」


心做しかしょんぼりするひろくんを、サヤがなだめる。



「…でもなんでアカギさんまで私の部屋に……」

「…だってアンタ起きないんだもの

おまけにオレの服引っ張って離さねえし」


「は、は…っ？」


「……アンタ、車内でオレに寄っかかって寝てたよ」


「もういいです！！わかりました！わかりましたから！」

ゆうべの優しさが嘘のように、
アカギさんは私の焦りっぷりを見てケラケラと笑う。


するとひろくんはそんなアカギさんを遮るように話し出した。

「…アカギさんからいろいろ聞きました

ずいぶん大変だったんですね」

「でもね！ひろくんとサヤのおかげで麻雀打てたから良いんだ！

本当、２人には感謝だよ！」


「そ…そうですか！…よかったです」


ひろくんやサヤと話す私を見て、アカギさんはそっとその場を立ち去ろうとする。

「じゃ、オレはここで」


「アカギさん、今度は私と打ってくださいね！」

「………ま、そのうちな」


アカギとAが親しく話す様子を、ひろは静かに見ていた。

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