冬といえば ページ7
県大会が終わると、
季節はもうすっかり冬になっていた。
冬といえば…
サキ「こいつ、最低!ありえない!男のクズ!」
県大会以来すっかり仲良くなったサキが、隣でケータイを睨みつけている。
「どしたの?」
普段クールなサキが怒っているところを初めて見た。
サキ「陽太、クリスマスにもイブにも冬期講習入ったから夜デートできないとか言ってきた!」
陽太くんは、サッカー部1年生で次期エース候補の、サキの彼氏だ。
サキ「絶対浮気だよ!むかつく!」
陽太くん、散々な言われよう。
「でも、昼はデートできるんでしょ?」
サキ「昼だけデートなんて、特別感のかけらもないよ」
恋なんてほとんど縁のなかった私には、“特別”とかそーいうのもよく分からない。
「私、奈々たちと女子会だから、デート終わったら来ない?」
サキ「ほんと?やった!」
サキはそう言って喜んだのに、すぐ顔をしかめた。
「?」
サキ「A、いーの?
クリスマス誘わなくて」
「え、誰を?」
サキ「大津先輩に決まってんじゃん!」
最近わざと考えないようにしていた名前の登場に、心臓がどきりと跳ねた。
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作者名:まな | 作成日時:2012年8月24日 16時