先輩の、となり。２

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「結局、何人来たんですか？」

マネージャーの先輩に聞いてみる。

「21人」
「それはさすがに…多いですね」
「3人くらいにしぼりたいんだけど、どうしようか」

「うーん」
「でもマネージャーの仕事大変だから、すぐ辞めちゃうような気もするんだよね」

ちなみに部員もかなり志望者が増えて、キャプテンは喜んでた。


そんな話を、夜に玉森先輩と電話で話してたら。

「面接すれば？」

「面接かあ……」

「そんで、藤ヶ谷くんにひとめぼれしました！って言ってくる子がいたらその子にしなよ」

ん？

それって。

「先輩、それ生徒会に入りたかった時の私のことですよね？」

あははって笑ってる。

「そう思うと、私かなり変でしたよね……」

「え？今さら？」

う、変なことは否定しないんだ。

「インパクトはあったなー」

「いいですよ。もうその話は」

Aー、お風呂入りなさいよーってお母さんの声がする。

はーい、って返事をすると。

「そろそろ切らなきゃね」

「はい……先輩の電話の声、好きです。優しくて落ち着く」

沈黙。

あれ？

「……こら。切りたくなくなっちゃうでしょーが」

「あは、ごめんなさい。切るね？」

そう言ったけど、先輩は、うん、も、じゃあね、も
言わなくて。

代わりに優しい声が響いた。

「Aちゃんの、そういう言葉でちゃんと伝えてくれるとこに、俺はひかれたんだよ」

「……先輩」

「だから。変でもなんでも。
あの時、面接で好きだって言ってくれてありがとう」

じゃあね、おやすみ、って電話が切れた。



先輩もいつだって、ちゃんと言葉でも態度でも伝えてくれているよ。


太輔も元気になってきたみたいだし。


きっと何もかも元通りになる。

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