先輩の、となり。

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「あなたね、生徒会なめてる？」
「え、いえ」

「まあまあ山口。AAちゃん？いーじゃん。
どストレートだね」
「北山先輩。そんな理由で生徒会入りたいなんていう子私は認めません」
「はいはい。んーとじゃあ次、森本さん」

私以外のみんなは、よりよい高校生活を送るために、とかなんとか言ってる。

「はい、わかりました。まだ何人か希望者いるみたいだから、役員で相談して決めたら後日改めて返事させてもらうね」
「はい」

お辞儀をして前を向くと玉森先輩と初めて目が合った。

玉森先輩は珍しいものを見るみたいに不思議そうに私を見ていた。

今になって恥ずかしくなってきた。

私はもう一度ぺこっとお辞儀をすると、生徒会室から走って出て行った。



そのままグラウンドに向かうと、野球部が練習している側に太輔と麻美が立っていた。

「あ、A。生徒会どんな感じ？」

「えーと。なんかよくわからないけど告白してきた」

「はあ？！」


さっきの面接の話をすると、太輔がため息をついて空を見上げた。

「やべー……」

「え？」
「あ、いや。お前それ、やべーやつじゃね？」
「う…やっぱそうだよね。先輩にやべーやつって思われたかも」
「上級生にも目つけられたんじゃないの」
「でも他に志望動機なんてなかったし」

「藤ヶ谷。バッティング練習入るか？」
「あ、はい」

同じ中学の先輩に声をかけられて、太輔は行ってしまった。

「マネージャー志望の子ってあなた？」
ジャージ姿のポニーテールの先輩が私の顔をのぞきこんだ。

「あ、そうです。AAといいます」
「じゃああなたが和也先輩の妹？！」

太輔が言ったのかな。

「先輩から野球部のグループにラインきたの。
俺の妹マネージャーするみたいだからよろしくって」

「兄がいつもお世話になってます」

「嬉しい！和也先輩といえば我が校伝説のエースだから。弱小だった野球部を地方大会準決勝まで連れて行ってくれた人」

「だけど。太輔はきっと兄を超えるって信じてます」

「うん。頑張ろう。一緒に」

「麻美もマネージャーしない？」
「私はバイトするつもりだから」

あ、そういえば。

「賭け、私の勝ちじゃない？」

「え？」
「恋したもん、私」
「ええー。ずるくない？両想いになったら、でしょ」

「片想いでも恋は恋じゃない？」



だって予感がする。

片想いかもしれないけど。


きっと。



一生忘れられない恋になるって。

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