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大倉side
「あ、あともう少しで着きます」
Aちゃんが窓の外を見ながら言う。
本当はこのまま帰したくない。
けど、そんなの無理ってわかってるから。
Aちゃんの気遣いを無駄にしたらあかんってわかってるから。
大「Aちゃん」
「はい」
大「年明けて、俺らのツアー終わって、お互いの仕事落ち着いたら、2人でご飯行かへん?」
「えっ」
大「あかん?」
「・・あかんくないです。」
待って、かわいすぎるやろ。
顔ちょっと赤なってるし。
大「ほんま?じゃあなに食べたいか考えといてな」
「はい、でも大倉さんの食べたいものでいいです」
大「俺は口に入ればなんでもいいんやけどな〜」
なんでも美味しく頂く自信あるし。
「わかりました、じゃあまたご連絡します」
タクシーがAちゃんの家の前に着いた。
八階建てくらいのマンションで、そこそこいい所住んでるんやな。
「大倉さん」
大「ん?」
「頑張りすぎないで、無理はしないで、頑張ってください」
大「ありがとう、でもそれむずいな(笑)」
「そうですね、無茶苦茶ですね(笑)」
大「おん(笑)、じゃあ、また」
「はい、おやすみなさい」
Aちゃんを降ろして、運転手さんに俺の家の住所を言う。
生姜、レモン果汁、はちみつか。
それに、炭酸水。
前風邪ひいた時に買ったやつ残ってるかもな。
炭酸水はストックあるし。
炭酸水使うってことは、スカッシュ系なんかな?
Aちゃんからのメモを見ながら、冷蔵庫の中身を思い出す。
うん、なんとか作れそうやな。
あっという間にタクシーは俺の家について、ほんまに家近いんやなと驚く。
Aちゃん、おやすみ
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作者名:Seno | 作成日時:2017年8月13日 1時