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彩side
今日は転校生が来るらしい。朝から教室がザワザワしていた。
「女の子がいいなー。」
「隣のクラスにも転校生来てたでしょ、すごい美少年だったから今回は美少女来るんじゃない？」
「つーかこのクラス、人の出入りが激しいよな。」
「それな。」
そんなクラスメイトの話をさりげなく聞きながらも、内心気になっていた。
そんな教室に、薫先生が入ってくる。
「はーい、座れ。ST始める前に、お知らせだ。皆もしかしたら知ってるかもしれんが、今日転校生がやってくる。じゃ、今から入ってもらうからな。」
途端、教室がザワザワする。
「じゃ、入れー。」
「あっ、ハイ。」
声の高さからして、女の子らしい。女の子にしては、少し声が低かった。
ガラッと扉が開き、1人の女の子が入ってくる。教卓の方に段々と近づく…
「うぇっぷ‼⁉」
女の子のそんな奇妙な叫び声と共に、バチーンという大きな音が聞こえ、その音が聞こえた方を見ると…見事にこけていた。
ザワザワするも、なかなか起き上がらない女の子。
「小木さん、大丈夫？」
小木さんと呼ばれたその女の子はその声にピクリと反応して起き上がった。俯いた顔は見えない。そして、すぐにパッと顔を上げ、
「あんの、クソ上司ーーーーーーーー！！」
と叫んだが、その顔が血だらけだった。それを見たクラスメイトは悲鳴をあげる。
「血だ！」
「キャー‼」
「落ち着け、鼻血だから！」
翼のそんな一言で、叫び声は収まるも、まだザワザワしている。
私はというと、すごい女の子が来たなと、どこか他人事に思っていた。
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作者名：梨花帆 | 作成日時：2018年8月16日 21時
