千の夜をこえて (ページ14)

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ep.14 ページ14

堂安side

〜

「いっぱい買ったな笑」

『食べれます？笑』

「余裕余裕、笑」

俺の隣を歩くA

「Aさ、碧のこと好き？」

『好きです笑たった1人のお兄ちゃんなので』

「どんな所が好き？」

『優しいところです。でも、やっぱり1番はサッカーしてるお兄ちゃんが1番好きです』

「じゃーさ、碧と俺やったらどっちがかっこい？笑」

『え？笑ん〜まだよく見た事ないのでわかりません笑』

「そっか笑今度の試合出るからさよく見といてや。絶対ゴールも決めるから」

『わかりました！笑』

Aは正直だった

いつも自分の気持ちに嘘なく真っ直ぐな人だった

楽しそうに笑う姿

＂お兄ちゃん！＂

遠くから碧を呼ぶ声

全て愛おしかった

でも、ここに飾ってある写真の中にひとつだけ今のAとはかけ離れてるAがいる

碧「律」

「おぉ……Aは？」

碧「寝たよ笑久しぶりに遊び疲れてる笑」

「子供みたいなこと言うやん笑」

碧「笑笑それ、半年前のA」

「え？」

碧「律……どんな姿でも、好きって言える？」

碧は俺に向けたことない表情をしていた

友達としてではなく

兄としての顔だった

碧「中3の時に病気が見つかった。治療をして命は助かったけど薬の副作用で体は浮腫んで太りたくないのに太ってそのせいで虐められて「碧」

碧「？」

「Aの過去がどうであろうと俺は何も気にしない。過去があるから今のAがおる。もし、またAが虐められたとしても俺が守るし、病気が再発したからって離れたりしない。薬で太っても髪の毛が無くなってもそれもAやから。俺は全てを愛すから」

碧「…………」

「泣くなよ笑男やろ笑」

『…………』