act.1 ページ2
好きな芸能人のラブシーンはどこまで見ていられるか。
それは人それぞれなのだと思う。
芸能人の相手役に自分を重ねている人もいるだろうし、単純にその芸能人の活動を応援したくて見ている人もいる。
私はというと、初めて好きになった俳優のラブシーンを見て、穏やかでいられなかった。
頭の中ではわかっているつもりだった。
画面の向こうの彼が自分を見ているわけではない。
どう足掻いても自分はファンで、彼は芸能人なのだということを。
それでも、どうしてそんな濃厚なラブシーンを描くんだ。
そんな風にしなくたって彼の魅力は伝わる。
そんな思いを誰にも言えず、抱えていたら親友が同じことを口にしてくれた。
同じ気持ちの人間がいる。
本人は何気なく言ってくれた言葉だったのかもしれない。
でも、私の背中を押すには充分だった。
彼女の言葉で私は、ファンの人が傷つかないドラマや映画を作ることにした。
最初は舞台脚本から始まり、ありがたいことに今ではそれなりに名前も知ってもらえるようになった。
脚本家と監督を両方務めるのは大変だったけれど、同じ気持ちを抱えていると思われる人達から届く手紙が何より励みで、ずっと頑張って来れた。
そして、私は今憧れの人のドラマの脚本と監督を担当することになった。
企画書を見てから数週間後、ついに顔合わせの日が来てしまった。
緊張する中でなんとか挨拶をして、素早くスタッフの中に引っ込む。
自分はあくまで裏から支える人間、表に出過ぎないと言い聞かせていると次はキャスト陣の挨拶が始まる。
顔合わせが始まってからまともにまだ彼の顔を見れていない。
しかし、今回は脚本だけでなく、監督もやらせていただけるのだから主演俳優である彼に失礼な態度はしたくない。意を決して顔を上げる。
「初めまして、主演を務めさせていただくことになりました。
SnowManの宮舘涼太です。
よろしくお願いします」
心臓が止まりそうな中、ふと彼と目が合った気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Beniimo0208(プロフ) - >みなみ様 コメント及びご指摘ありがとうございます。こちらの確認不足でしたので、修正させて頂きました。今後も見守っていただきますと嬉しく思います。 (2021年1月17日 15時) (
レス) id: 7085968988 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが、気になります。27話が、抜けてます。 (2021年1月17日 10時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅芋里芋薩摩芋 | 作成日時：2021年1月13日 5時
