王国 ページ7
『…わぉ』
例の男に連れられてやってきたのは大きな城。
…これ、私みたいな人が入って良いものですかね？
というか、もう見た目が姫路城にしか見えない。
今更ながら、歴史オタクとして沸いてきてしまう。
この白漆喰、かっこよすぎないか。
綺麗にムラなく塗られていてとても素敵…。
「おい」
『！？…なんですか？』
「いや…めっちゃ壁見てたから……と、とにかく行くぞ」
若干引かれたようにも思われるが、こんなの現実世界でも同じことが何回もあった。
もうなんとも思わない。
『…て、私、どこに連れて行かれるんですか？』
「四王の間に決まってるだろ」
『し、塩の間…？』
「はぁ？しおうのま。お前…本当にスパイじゃないのか…？逃げようともしねぇし…四王の間の存在もしらねぇし…」
まるでこの世界の人間じゃねぇみたいだ。
そんな彼の言葉にどきりとしてしまう。
…生憎、顔には出ない性格なので、バレなかったが。
「とりあえず入れ」
そう言われて開かれた扉から覗かせたのは__
『_私なんかが入っていいんですか、こんなところ』
とても豪華で広い部屋であった。
和と洋が組み合わされ、とても素敵な空間。
「___________まーしぃ、その子誰」
そんな空間から聞こえてきた凛として透き通った声。
現れたのは、背が少し低めの茶髪男性だった。
「あ、うらさん」
うらさん、と呼ばれた彼はこちらを警戒しているのか私を鋭く睨みつけてくる。
その姿さえ様になっているのだから、イケメンというのは本当に罪な生き物である。
「こいつ、なんか戦場にいた女」
「…ほぅ、俺らの国の情報でも奪いにいたのか？スパイさん」
「…俺もそう思ったんやけど…ちゃうっぽい」
「…どういうことだ？」
「なんか変な服きとるし、俺らのこと知らんし」
「俺らのこと知らない…？…すっとぼけてんじゃないの」
うらさん、は私のことを舐め回すように見た後に、私に話しかけてきた。
「…俺らのこと、本当に知らないの」
『…はい』
「いいよ、芝居は。今正直に全部話したら、罰は軽くしてあげる」
『…は？』
何言ってるんだこの人は。
知らないって言ってるじゃないか。
そんな疑問と若干の怒りから出た「は？」という言葉。
「えww」
私を連行した男がお腹を抱え、大声で笑い出した。
目の前の男の人は、信じられないというように目を見張っている。
…そういえば、この人って偉い人…だよね…？
私、ヤバい人に喧嘩売ったのでは？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年2月28日 14時) (
レス) @page12 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 好きです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月15日 19時) (レス) id: 13ab585311 (このIDを非表示/違反報告)
lein - 好きすぎてやばいです！！とりあえず好きすぎて語彙力やばいです！もうタイトルといい浦島の雰囲気といいやばいです！(さっきからやばいしかない)坂船出てくるのと更新楽しみにしてます！！ (2020年11月5日 2時) (レス) id: f92bb3eb48 (このIDを非表示/違反報告)
千歳(プロフ) - ねこまる先生。さん» コメントありがとうございます！！そう言っていただけてうれしいです！！ブリッジしながら(白目)更新頑張らせていただきます！！返信遅れてしまい申し訳ございません（汗）今更ながら、ハッピーハロウィン！！！！！ (2020年11月3日 12時) (レス) id: ea7ddd1b06 (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる先生。 - 題名からわかる神作オーラ。私の予想の斜め上をいく作品でした…。こういう物語どちゃクソ好きなんで今ブリッチしながら打ってます(嘘)更新頑張ってください！ハッピーハロウィン！ (2020年10月31日 20時) (レス) id: 1f53132dc8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：千歳 | 作成日時：2020年10月22日 19時
