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ふと視線を感じて、
振り返ると、
オークラがドアにもたれて立ってて。
「ひどい言いようやな」
一言だけ、少し顔を歪めて言う。
オークラにも誰にも、
母のこと、話してない。
知られたくないから。
「うん。
しつこい男がいて」
見え透いた嘘ついたら、
オークラはちょっと複雑な顔をした。
「鉄壁の要塞に向かって来るなんて、
アホな男やな」
またまたど失礼発言かましてくる。
「誰が鉄壁の要塞なのよ」
それより綾子さんは？
二人だけで何を話してたの？
やっぱり聞けない。
「行くで」
「オークラはこのチーズケーキいらないの？
未知の味ってぐらい美味しかったよ」
実は半分残しておいた。
小さめのワンホールだけど、
２人分だと思ったし。
「なら、お前が持って帰れ」
優しいけど、ちょっと寂しい。
エベレスト女の持って来た物とはいえ、
食べ物に罪はないからな。
けど、今日のオークラ、ちょっと変じゃない？
仕事終わりに、
オークラが珍しく飲もうって誘ってきた。
久々だな。
入社当初はよく帰りに同僚のみんなで飲んでたのに。
オークラが昇進するたびに、
そういう機会は減っていった。
昔よくみんなで行ってた居酒屋、
『赤提灯』の暖簾をくぐる。
今日は平日のせいか、
時間が早いせいか、
店は比較的すいてて、
座敷の席に案内された。
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miho(プロフ) - どのお話も面白くて毎回楽しみにしてます！次が早く読みたいです! (2017年6月10日 10時) (
レス) id: 042562a3bb (このIDを非表示/違反報告)
^o^(プロフ) - 亮ちゃんの方も読ませていただきましたが、すごいお話に引き込まれました！続きが楽しみで楽しみで！更新楽しみに待ってます。 (2017年6月7日 18時) (レス) id: 19303c9d1e (このIDを非表示/違反報告)
クララ - この先がドキドキです♪更新楽しみに待ってます(о´∀`о) (2017年6月3日 3時) (レス) id: c896e42c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2017年5月30日 15時
