信念 土方side ページ9
「土方さん!こっちそろそろ片付いて来たんじゃないですか!!」
襲い来る敵の威勢のいい声をAは一瞬で軽やかな動きをした刀で黙らせる。まるでその刀がAの腕と繋がっているかのような、自然で綺麗な動きだ。それはどう考えても、剣術をずっと極めていた奴の刀捌きで、俺もその動きについつい見いってしまう。
土「そうだな!!上にいる連中にも奇襲をかけるぞ!!」
「了解です!!」
そう言うやいなや駆け出した俺達。「トシ!!ここにいる残りは俺達に任せろ!!」と近藤さんの声が聞こえる。どうやら俺達を先に上の階へと行かせてくれるらしく。「任せた!!」、それだけ言うと、俺はA、万事屋に数人の隊士を引き連れ、階段を駆け上がる。
山「子供達は何処にいるんでしょうか!?」
銀「知るかよ、まぁ見つけ次第保護するのが先決ってとこか」
「そうね、早いとこ見つけてあげないと…!」
土「…」
そう言ったAの目が、真剣な色を帯びているのを見て、ふと思った。
さっきからふざけてばかりで、緊張感の欠片もねぇと思っていたが、コイツもコイツなりの信念を胸に戦っているんだと。副長補佐としての仕事も申し分なく、剣術も文句の付けようもないAのことだから、あまり心配もしていなかったと言えばそうなのだが、
土(……大丈夫そうだな)
一応、コイツの過去云々のことは知らねぇが討ち入りには初参加となるソイツを、実はほんの少しだが気にしていた。もし、初めてこの戦場に足を踏み入れ、引き返せない場所まで来てから、怯えが芽生えてしまったら。それは即ち死を意味する。戦場では恐怖を感じ、足をすくませた時点で、隙を見せた時点で殺られちまう。
もしコイツが、そうなったとしたら。その時は……、なんとかしなくもなかったのだが、どうやら要らぬ心配だったようだ。
…まぁ、油断して殺られねぇこったな、と、そう思っていれば。
敵「幕府の犬めが!!コイツを食らえ!!」
階段を駆け上がっている最中。そんな声が聞こえたかと思えば階段の踊り場では男が立ち塞がっており、その手には大型の銃が握られていた。
土「な…!?」
あれが噂の高性能武器かと内心舌打ちをしつつ、これをどう切り抜けるかだけを思考回路は探り始める。早くしないとここにいる全員がアレに撃たれて終わりだ。
敵「死ねエエエ!!」
山「うわああああっ!!」
銀「チッ、」
ガチャっ、と、そのいかつい銃口を俺達に向けた。
どうする、どうする…!!
268人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピピコ - マイさん» 天才なんてとんでもないです…!!このシリーズのヒロインは私自身もお気に入りです^^ そう言って頂けて嬉しいです!!ありがとうございます!これからも少しでもお楽しみ頂けると嬉しいです! (2017年7月5日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - ピピコさん、天才です(^○^) 場面が思い浮かべやすいし、ヒロインさんもカッコいいし!続きも楽しく読ませていただきます(o^^o) (2017年7月4日 12時) (レス) id: ce3b99b0d3 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ミンティアさん» こちらもまたありがとうございます!ミンティアさんのコメントはとっても励みになってます!どう転んで何処に着地するのか、私も全く分かりませんが、楽しみにしていただけると嬉しいです! (2017年6月19日 19時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ミンティア - かなり遅れてしまいましたが続編おめでとうございます!他作品と共に此方の方も勝手に応援させて頂きます!どうやって物語が転ぶのか気になります。更新頑張ってください。 (2017年6月19日 17時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ハルさん» わ、わわ…!?ま、まさかあのハルさんからコメントを頂けるとは…!!うわ…!なんか嬉しすぎて手ぇ震えて文字打てない…!!(笑)応援まで頂けるなんて…!ありがとうございます!!私もハルさんのこと応援してます!!! (2017年6月12日 20時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年6月3日 21時