【銀魂】己の行く道 貴方の背中【土方十四郎】

こんなんでも ページ44

神「ていうか、税金泥棒のとこにこんな美人な奴がいたんだナ」

「もうヤダ美人とか！！」


なんだこの子達。いい子ばかりじゃないか。もう私が買い溜めてあるトッポとかプレゼントしちゃおうかしら。


銀「美人だとよ、プププ〜」

「黙れ」


と、そんなことをほざきやがった天パダメ社長には罵声を浴びせておき。私はいい子達をニコニコとしながら見つめる。


「どこぞのデリカシーの欠片もないクソとは違っていい子だね〜」

銀「え、何。俺クソに降格した？」

「名前は何て言うのか聞いていいかな？」


銀時には最早無視をくれてやり、私は従業員ちゃん二人にそう問いかけた。


新「志村新八です」

神「歌舞伎町の女王、神楽様アル」


眼鏡くん、もとい新八くんは私にペコリとしながらそう言い、神楽ちゃんはフフン、と胸を張りながらに言う。


「新八くんに神楽ちゃんね。私は赤坂A。真選組、副長補佐やってます」


どーぞよろしく、と、私もペコリとしながらそう告げると、「え、副長補佐なんですか！？」と新八くん。


新「へぇ、大変なんじゃないですか？副長補佐ってことは土方さんの補佐ってことですよね？」

「そうなの。大変なの。部屋タバコとマヨネーズ臭いし」

神「お気の毒アルナ」


そう言いながらバクバクと料理を平らげていく神楽ちゃん。あとでおかわりでも持ってきてあげよう。


「やっぱ万事屋と真選組ってそれなりに関わりがあるんだね」

銀「まぁ、腐れ縁って奴だな」


ふーん…、と私は答える。そんな腐れ縁の組織に私が突然入ったってんだから、驚きだよなぁ、なんてことを考えつつ、私も右手に持っているお酒を煽る。


「そっか。じゃ、こうして知り合えた訳だし、新八くんも神楽ちゃんも、銀時に何かされたら、私のところに飛んで来なさい。私がしょっぴいてやるから」

神「そりゃいいアルナ」

新「そうさせて貰うことにします」

銀「銀さんの味方はいないのね」


拗ねたような銀時の声に、私は内心大笑いする。多分銀時は、こんなんだけどちゃんと二人のことを大切に思ってるんだろうな、なんてことを思う。


「…でも、安心した」


…銀時の傍に、ちゃんと寄り添ってくれる人がいて。

自分が追い込まれた時、いつも銀時はそういう時こそ何も言わないから、誰かが傍に居てくれていることが分かって、少し安心した。この子達なら、大丈夫だって思えた。


ー・・こんなんでも、一応私の大切な幼馴染みだからね。


銀「？…何がだよ？」

「なんにも？」


首をかしげたそんな幼馴染みに、私はニシシと笑って見せた。

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