真選組鬼の副長補佐 ページ25
……私は、あれから、あの日から、ずっと強くなりたいと願い続けて、強くありたいと思い続けて、今まで私が信じた道を、ただひたすらに歩いてきた。一人ぼっちで、孤独を感じながら、地を這いつくばりながら、無我夢中で生きてきた。
それでも私はまだ弱い。泣いてばかりだったあの頃よりは、ほんの少しは変われたのかもしれない。強くなれたのかもしれない。それでも。
……私が思う強さには、まだまだ届かない。それを今、思い知った。痛いほどに。
心に存在する傷跡はまだ酷く痛んでいるのに、新しい傷は増えるばかりだ。
過去は過去のままで、もう変えられやしない。どれだけ想いを巡らせても、どれだけ願っても、戻れもしない。今あるこの未来は、もう変えようのないものになってしまった。
……もし。あの頃に戻れたら。
アイツらとまた、新しい居場所をつくって、ただ笑って、それで、それで。
…そんなことを考えたって無駄なことは分かってる。時計の針は、逆に回ってなどくれない。刻々と、先へと進み続ける。
だから、私は、過去の傷跡も、記憶も、弱い自分も、全部全部受け入れて、
………前に進むんだ。
土「その傷でまだやれんのかよ」
「当然です」
ー・・この人、土方さんと共に。真選組と共に。
私は、『真選組鬼の副長補佐』なのだから。
「じゃ、今度こそラストスパート、張り切っていきますか!」
土「張り切りすぎておっ死ぬなよ」
そんなことを言い合うと私と土方さんは口角を上げ、ダンッ!!と足を踏み出した。
敵「こんの…!!」
と、うずくまっていたライフル男が飛び起き、私達に銃口を向けてくる。それに怯まずに走り続けていれば、右手からドオオオン!!という爆発音が響き、ボロい壁が砕け散っていく。男がそれに気をとられた隙に私はソイツの持っていたライフルを刀で斬り払った。「な…!?」と声を発する男を一振りで黙らせると、爆発音がした方向に顔を向ける。
それはまた、予想していたのと同じ人物で。
沖「やれやれ土方さん、こんな雑魚ども相手に何を手こずってんですかィ」
バズーカを肩にのせた沖田くんがふてぶてしい顔をぶら下げて煙の中を歩いてくる。
土「……テメー、まさかとは思うがずっとタイミング窺ってやがったな…?」
沖「んな訳ねぇでしょうに、信用ねぇなぁもう。『悔しかったら生きてみやがれ』、かっこよかったですよ〜」
土「やっぱり見てやがったのかよオオオオ!!!」
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ピピコ - マイさん» 天才なんてとんでもないです…!!このシリーズのヒロインは私自身もお気に入りです^^ そう言って頂けて嬉しいです!!ありがとうございます!これからも少しでもお楽しみ頂けると嬉しいです! (2017年7月5日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - ピピコさん、天才です(^○^) 場面が思い浮かべやすいし、ヒロインさんもカッコいいし!続きも楽しく読ませていただきます(o^^o) (2017年7月4日 12時) (レス) id: ce3b99b0d3 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ミンティアさん» こちらもまたありがとうございます!ミンティアさんのコメントはとっても励みになってます!どう転んで何処に着地するのか、私も全く分かりませんが、楽しみにしていただけると嬉しいです! (2017年6月19日 19時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ミンティア - かなり遅れてしまいましたが続編おめでとうございます!他作品と共に此方の方も勝手に応援させて頂きます!どうやって物語が転ぶのか気になります。更新頑張ってください。 (2017年6月19日 17時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ハルさん» わ、わわ…!?ま、まさかあのハルさんからコメントを頂けるとは…!!うわ…!なんか嬉しすぎて手ぇ震えて文字打てない…!!(笑)応援まで頂けるなんて…!ありがとうございます!!私もハルさんのこと応援してます!!! (2017年6月12日 20時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年6月3日 21時