死にたくない ページ22
数発の銃声が、私の耳へと届いた。それは恐らく、私の人生を終わらせる音になることだろう。私は迫り来る死を前にして、冷静にそんなことを思った。別に怖くはない。護りたいと強く願ったものを護って死ねるのなら、それは本望だ。
……けれど、心残りがないのかと問われれば、頷けない。
まだ、やりたいことが多すぎる。銀時や小太郎、辰馬と、もっと話がしたい。折角また会えたのだから。バカでもアホでもいい。罵り合いでもいい。ただ話がしたい。
後は、まだ、私は真選組でありたかった。そんなことを思い浮かべてしまうのは、自分でも驚きなのだけれど。最初こそ嫌悪くらいはしていたのに、今となっては護るものの一つになってしまっていた。
まだ、真選組で、近藤さんと笑いあって、沖田くんと悪さをして、
……土方さんに、怒られたかった。
それから、それから。
……不意に、聞こえる声。
『オメーはバカでドジなくせに何処までも真っ直ぐに突っ込んでいくからな、オメーみてェなバカには、……俺が隣に居てやんなきゃなんねェな』
『…護ってやるよ。お前が護りたいと思うものも、……お前も』
『ー・・だから、俺の隣に居やがれ』
……あぁ、走馬灯ってホントにあるんだ。こんな昔のことが、頭に浮かんできてしまうなんて。
……桜の木の下でした、アイツとした約束。
……大きすぎる心残りは、まだあった。
まだ死にたくない。死にたくない。死にたくない。
まだ生きていたい。生きていたいのに、なんだってこんなに身体が動かないのだろうか。こんな気持ちで死ぬのは、嫌だ。胸くそ悪い。
……あぁ、私はあれから、少しは強くなれていたかな。
護りたいもののために強くなりたいと願ったあの日から、私は私なりに頑張って生きてきた。地面を這いつくばるような思いで、苦しんで苦しんで、それでも自分の信じる道を歩いて。
……ねぇ、私は強くなれたかな。
今の私が、アンタに会ったら、アンタは、戻って来てくれた？
ねぇ、
……私、もう一度だけ。
もう一度だけ、アンタに会いたかった。
銀「Aーーー！！！！！！」
動かない身体に、私は諦めたように目を閉じる。私は多分、このまま死ぬんだろう。こんなの、もう避けるにも防ぐにも間に合わないだろう。
受け入れるしかないんだろう。でも。
……まだ、死にたくないなぁ……。
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ピピコ - マイさん» 天才なんてとんでもないです…！！このシリーズのヒロインは私自身もお気に入りです^^ そう言って頂けて嬉しいです！！ありがとうございます！これからも少しでもお楽しみ頂けると嬉しいです！ (2017年7月5日 22時) (
レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - ピピコさん、天才です(^○^) 場面が思い浮かべやすいし、ヒロインさんもカッコいいし！続きも楽しく読ませていただきます(o^^o) (2017年7月4日 12時) (レス) id: ce3b99b0d3 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ミンティアさん» こちらもまたありがとうございます！ミンティアさんのコメントはとっても励みになってます！どう転んで何処に着地するのか、私も全く分かりませんが、楽しみにしていただけると嬉しいです！ (2017年6月19日 19時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ミンティア - かなり遅れてしまいましたが続編おめでとうございます！他作品と共に此方の方も勝手に応援させて頂きます！どうやって物語が転ぶのか気になります。更新頑張ってください。 (2017年6月19日 17時) (レス) id: bb20e7ebdc (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ハルさん» わ、わわ…！？ま、まさかあのハルさんからコメントを頂けるとは…！！うわ…！なんか嬉しすぎて手ぇ震えて文字打てない…！！(笑)応援まで頂けるなんて…！ありがとうございます！！私もハルさんのこと応援してます！！！ (2017年6月12日 20時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時：2017年6月3日 21時
