十一話 ページ12
昂「…なんて顔をしてるんだ」
『先輩、強引なところありますよね。意外と』
昂「強引？そんなことはない」
『いえ、そんなことあります！結局買ってきちゃったし！』
私はキーホルダーを携帯につけながら言う。
今は駅で電車を待っている所だ。同じ水族館帰りの客が多い。
キーホルダーをつけ終わると、先輩が待っていたかのように手を繋いできた。
慣れてないとか嘘じゃない？すごいさらっと繋いできたけど。
『電車、混みますかね〜…』
昂「この時間だし、まぁ多いだろうな」
知らない人と密着するの嫌なんだよなぁ、と思っていると電車が来た。
どっと人が電車内に入っていく。
『多い…』
ボソッと呟いてみるが、そんなことで人が少なくなるわけではないし…。
昂「A、ちょっと我慢してくれるか？」
『え？なにを…』
先輩が少し動いて、私に覆い被さるように立った。
後ろはドアで前は先輩。
お陰で私は先輩以外の人と密着することはないが、これはこれで心臓が持たない。
しかも私が寄りかかっているドアは開かない方なので、降りる駅までずっとこのままだ。
あ、すごい先輩の匂いする…って私変態だ。煩悩退散！！
何か違うこと考えてないと。
『あ、き、今日！すごく楽しかったですね！』
昂「え、あ、そうだな。来てよかった」
『クラゲとかイルカとか可愛かったし…。あと手も繋げて、嬉しかった…』
しみじみと思い出すように言う。
初めての手繋ぎデート、楽しかったなぁ。
『あっ、先輩の手って意外と大きいんですね！やっぱり男の人だから私とは差が……あ』
先輩の顔が赤くなっているのを見て、急に自分が何を言ったのか気づく。
『いやえっと、なんていうか…』
昂「Aの」
『え、は、はい？』
昂「Aの手は、小さかったな。…悪い、忘れてくれ」
段々と暑くなってきた。早く降りたい。
《次は◯◯駅〜…》
私達は素早く電車から降りた。
お互い真っ赤だ。
…まだ一緒にいたかったり。
『先輩、帰ったら電話してもいいですか？』
先輩は笑って頷いてくれた。
ーーーーーー
おまけ
昂「もう切るぞ。…おやすみ」
衛「コウく〜ん。……あれ？そのキーホルダーどうしたの？」
昂「今日買った。携帯につけたんだが、変か？」
衛「ううん！(なんか嬉しそうだなぁ)」
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猫月-ﾈｺﾂｷ-(プロフ) - とてもいい話でした！毎回思いますが、話もいいですが裏設定も凄く良いですね！！これからも頑張ってください！ (2018年9月10日 23時) (
レス) id: e584b4d054 (このIDを非表示/違反報告)
猫月-ﾈｺﾂｷ-(プロフ) - ありがとうございます！頑張ります (2018年8月16日 22時) (レス) id: e584b4d054 (このIDを非表示/違反報告)
宍戸(プロフ) - 猫月-ﾈｺﾂｷ-さん» 昂輝くんのSはいいですよね！短編集見ました！更新待ってます^^* (2018年8月16日 15時) (レス) id: 3d8cd24796 (このIDを非表示/違反報告)
猫月-ﾈｺﾂｷ-(プロフ) - コウくんがS に……！そうだ、短編集を作って見ました！宍戸様、また見てくださいね！ (2018年8月16日 14時) (レス) id: e584b4d054 (このIDを非表示/違反報告)
猫月-ﾈｺﾂｷ-(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしててくださいね♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e584b4d054 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宍戸 | 作成日時：2018年8月10日 18時
