【爆豪勝己】君の『聲』が聴こえるまで 2 (ページ21)

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兵器ページ21

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司令官side

『瞬間移動』で私と爆豪くんを『lycanthrope本部』に転送した。

「お待ちしておりました司令官、次の指示を」

白衣を着た部下が、私が姿を現すと指示を求めて集まってきた。

「『塵化』できない瓦礫が『転送』すぐに焼却処分ができるよう準備を。それから＿＿＿＿」

意識を失ったままのAを抱えて、病室のベッドに寝かせる。

命令を受けた隊員は短く返事をすると、すぐに仕事に取り掛かった。

「………爆豪くん」

目の前の状況が理解できておらず呆然としていた彼だった、私が名前を呼ぶとハッと我に帰った。

「……おい、司令官。その……さっきのカラス男、あいつ……」

途切れ途切れの言葉を紡いでおり、目も泳いでいて明らかに混乱している様子だった。

優しく言っても意味がないと思い、私は真実を打ち明けることにした。

「これは全て作戦だ(・・・・・)。
カラス男(63148)も、Aの手によって命を落とすように初めから計算されていた」

「は、？殺す………Aが、仲間を…？」

「この組織『lycanthrope』の暗殺者(アサシン)を全滅させるのが、今回の事件の目的だ。

Aには感情がないと思い切っていたが、君と出会って気づいたよ。あの子は感情を抑えているのが上手何だけの、ごく普通の女の子だ。

だから私は彼女を騙し、隊員を皆殺しにさせるように仕掛けた」

「……ッ！！司令官、テメェ！！！」

青筋を立て、怒りをあらわにした爆豪くんが私の胸ぐらを掴んだ。

私は彼を見下ろしながら、構わず続ける。

「25100は『最高傑作』だった。
我が国の治安を維持し、ヒーローが敵(ヴィラン)を退治して輝ける理想の世界を造ることができたのは、紛れもなく彼女という存在がいたからだ。

しかし、あまりにも出来すぎていた。この子たちの存在を知った世界の大国はきっと血眼になって奪い取ろうとするばすだ。

このままでは戦争を終わらせる兵器のために戦争が生まれてしまう。
そう考えて、私はAを含めた暗殺者(アサシン)を殲滅することを決心した」