兄ちゃん、ごめんね。 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:2,593 hit

七話ページ7

美優の部屋でおままごと。

何が楽しいのかわからないけど適当に付き合ってやる。

相変わらず美優は楽しそうだった。

「美優？いるの？入るわよ」

と、いきなり母さんの声がしたと思えば扉が開かれ、外着に着替えた母さんが入ってきた。

まだ、顔は暗いままだった。

「お母さん達準備できたから、行くわよ」

「や！なんでさっき病院行ったのにまた行くの！」

「入院するからって言ったでしょ！荷物整理に来たんだから…それと先生とも話はあるのよ。お父さんも行くから、一人じゃ待てないしアンタも来なさい」

オレまで指名され、嫌がる美優と共に強制連行。無言の両親達と騒がしい妹の温度差のある空気は辛かったが、無事に二十分後には病院に到着した。

病院に入るとすぐにどこかに連れていかれた美優は涙目になりながらオレを見ていたが、オレが助けようとするのを阻止するかのように暗い顔の父さんが肩を押さえてきた。

入院の理由もわからないけど、とにかく美優の無事を願う。

大人達の話は子供にはわからないらしいから、オレはその後はずっと美人な看護師さんと遊んでいたのだけど。