蝉とけい‥みんなしわわせ。(ymxin)蝉シリーズ(５)

＝すりすり・４＝ ページ13

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次の日は兄貴が仕事で

バーさんと一緒に、けいの面倒を看てた。



窓の外を見つめ

オレは、ヤキモキしていた。



明日・・明日、またリョウの所へ行ってみよう。

必ず説得する。

１人は寂しい。

１人は嫌だ・・・。



リョウ＿＿＿＿。


今、何してる・・

なぁ、今どうしてる＿＿＿＿＿＿＿＿？



お日様が眩しい・・・。

窓の外をジッと見つめ・・

ゆらゆらお日様が揺れている＿＿＿

オレは、肉球で涙を拭って。



もう一度、お日様を見つめて

瞬きをして涙を零し

こんなに明るくて温かいのに

何だか、切なくて、悲しくて

体の真ん中が、ぎゅぅぅって締め付けられる。


窓の外を見つめたまま

「リョウ＿＿＿＿。」って呟いたオレは・・



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿っっ。



急にふわりと体が浮いて

けいがオレをぎゅっと抱き上げた＿＿＿＿。


『ちょっ・・
　なんだよっ、けいっっ。』


「ねぇこ。しくしく、ないない、よ。
　ねこ、いいこ、いいこ、ね。
　ねぇこ、ぎゅ――――。」


けいが、オレをぎゅっと抱き締め

背中を優しく優しく撫でる。



『な、なんだよ・・。
　オレ、オレ・・泣いてなんか＿＿＿＿っっ。』



涙がまた・・溢れてくる。


止まらない涙をまた、肉球で拭って

でもまたやっぱり溢れてきて・・・。



けいが、オレを抱き締めながら

ベッドに座り、優しく優しく撫でてくれる。



細い指先でオレの涙を拭って

「ねぇこ、いいこ。いいこ。
　いいこだ、ね。」



オレはしくしく泣きながら・・

けいに撫でられながら・・寝てしまったんだ＿＿＿＿＿。



けい、その手で・・リョウの事も

撫でてやって・・くれないか・・？

オレ、リョウを・・笑顔にしたいんだ＿＿＿＿。





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夕方の気配に＿＿＿＿＿＿

オレはピクッと耳を動かして

ガバッと起き上がる。




兄貴の玄関に近付いて来る足音を聞いて

けいを起こさない様にベッドを降りて

バーさんを「ニャー。」呼んで玄関に行った。



・・・兄貴と、もう一つの足音を聞きながら＿＿＿。





＿＿＿ドアが開いて



オレは兄貴に尊敬の意を込めて

足にすりすりして・・

兄貴の後ろに居る、もう一つの足音に

声を掛けた。


『・・相棒、おかえり＿＿＿。』

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